クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

シトロエン・ベルランゴ 商用車派生ミニバンの世界池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/8 ページ)

» 2020年09月07日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

ベルランゴの基本チェック

 そんな世界にこの8月、ニューカマーとして日本市場にやってきたのがこのシトロエン・ベルランゴである。全長は4405ミリ、全幅が1850ミリ、全高1850ミリと、平面サイズは今となってはかなりコンパクトだ。立体駐車場は無理だろうが、それでも取り回し的に苦労することはなさそうだ。参考としてヒットモデルであるトヨタRAV4のサイズを記載してみると、全長4600ミリ、全幅が1855ミリ、全高1685ミリと、全幅はほぼ同等ながら、長さでは200ミリほど長いなど、平面寸法ではRAV4の方がわずかに大きい。コンパクトというほどに小さくはないが、日本で使うのに覚悟がいるというほどでもない。

強烈に個性的な顔つきと、ギヤ感の高いデザイン。ガッチリしたルーフレールに加えサイドの黒いガーニッシュはちゃんと一番外まで出っ張っていて、プロテクターの役割を果たす

 エンジンは1.5リッターのディーゼルで、トランスミッションは8段トルコンステップATのみ。

 ADAS(高度運転支援)周りは、いわゆる衝突軽減ブレーキ、レーダークルコン、ステアリングアシストが一応付く。全グレード採用なのは褒めるところで、加減速が時折下手だったり、ステアリングのアシストが極めて地味だったりするあたり、ADAS重視の人には、最新のシステムと比べるとちょっと首が傾ぐ場面はあると思う。

 ただ、「ADASは所詮サポート機能」と割り切れる人ならば、ちゃんと役に立つし、あるとなしでは月とすっぽんなので、ADASで大幅加点とはいえないが、減点も無しというところだ。商用車ベースなのにここに減点がないということはちゃんと評価すべきだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.