ちなみに、ブラインドスポットモニター・トラフィックサインインフォメーション、 俯瞰(ふかん)視点機能付きのバックカメラ、インテリジェントハイビームなどを加え、2020年の自家用車として「いま時それかよ」な部分はとりあえずない。
ナビやオーディオに加え、車両のセッティング画面などが統合されたタッチスクリーン式モニター。画面右下にUSBソケットが付くので、直下のトレーにスマホを置くことになるが、なぜかエアコンでキンキンに冷やされる。さらに下にあるのがシフトのセレクターだが、これは実用性に問題あり
さて、ベルランゴの一番の美点はその鷹揚(おうよう)な走りである。ベルランゴを買う人がどういう人かといえば、日産GT-Rを買う人とは違うし、マツダ・ロードスターを買う人とも違うはず。決めつけた書き方をしてしまえば、夫婦と子供2人のファミリー生活を楽しくするクルマを探しているような人だろう。
機能だけ見ればトヨタのミニバン、ノア/ボクシーでもいいのだろうが、あそこに決定的に欠けているのは運転体験である。GRが仕上げたモデルでも選べば別だが、素のノア/ボクシーには、「クルマ好きとしての自分を諦めて、家族のために選ぶ」気持ちがあるように思う。またぞろオーナーから激怒したコメントが大量に書き込まれるだろうが、筆者はメーカーにも読者にも忖度(そんたく)はしない。事実を書けないなら書く意味がない。ノア/ボクシーはドライバーズカーとして選ぶクルマではないし、ドライバーズカーとして選ぶ人がいるのだとしたらその人とは価値観が違いすぎる。
ただし念のために書いておくが、ドライバーズカーとしての価値だけが全てではないし、後述するがベルランゴが逆立ちしてもノア/ボクシーに敵わないところも存在する。
- ハリアーはアフターコロナのブースターとなるか?
多くの読者はすでにハリアーが今年の大注目モデルであること、そして売れ行き的にもとんでもないことになっていることをご存知のことと思う。7月17日にトヨタから発表された受注状況は、それ自体がちょっとしたニュースになっている。
- RAV4 PHV 現時点の最適解なれど
トヨタはRAV4 PHVを次世代システムとして市場投入した。世間のうわさは知らないが、これは早目対応の部類だと思う。理由は簡単。500万円のクルマはそうたくさん売れないからだ。売れ行きの主流がHVからPHVへ移行するには、PHVが250万円程度で売れるようにならなくては無理だ。たった18.1kWhのリチウムイオンバッテリーでも、こんな価格になってしまうのだ。まあそこにはトヨタ一流の見切りもあってのことだが。
- 新型ハリアーはトヨタの新たな到達点
トヨタは、売れ筋のSUVマーケットにまた強力な新兵器を投入する。SUVバリエーションの最後のピースであるハリアーだ。結論からいえば、新型ハリアーは、多面的なその調律に成功し、トヨタブランドの範疇(はんちゅう)の高級というものが、バラバラの要素ではなく、一つの方向にキチンと収斂(しゅうれん)して、なるほどと思わせるものになっていた。
- 新型プジョー508は魅力的だが……
PSAグループのプジョーが新型プジョー508を発売。デザインとハンドリングに集中して開発を行うことで、カッコよく走って楽しいクルマを目指した。一方で、選択と集中の結果、犠牲になったものもいろいろとある。
- エコカー戦争の局面を変えたプロボックスハイブリッド
トヨタ自動車は商用バンのベストセラー、プロボックスをマイナーチェンジ。焦点となるのはハイブリッドモデルの追加だ。プリウスの発売から24年を経て、遂にプロボックスにまでハイブリッドが普及したことになる。
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