クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

シトロエン・ベルランゴ 商用車派生ミニバンの世界池田直渡「週刊モータージャーナル」(8/8 ページ)

» 2020年09月07日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]
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 さらにリアドア。クルマに乗り込んでから閉めようとすると、ドアハンドルがほぼ隠れてしまっていて握れない。にもかかわらずスライドドアの重さは相当にあるので、多分子供だと操作できない。外側から大人が閉めてあげないといけない。

元が商用車なので、貨物の積み下ろしのためにドアを大きく開けたい&後ろに人は乗らないというせいで起きた珍事。ドアを全開にするとインナードアハンドルはほぼ隠れてしまう

後日談 訂正とお詫び 2020/09/08 13:00

 ベルランゴのリアドアハンドルについて、読者のコメント欄で「上の方に別にハンドルが付いているのでは?」とご指摘をいただいた。幸いまだ手元にクルマがあるので、慌てて見にいった。おっしゃる通りでした。

 参考までに開けた状態と閉めた状態の写真を並べてみる。閉めた状態で見れば一目瞭然、明らかに取っ手といえる形状になっている。

 これは筆者が後席に関して停止中に乗車しての検分だけで書いてしまったことに原因がある。ひとり試乗なので止むを得なかったのだが、リアシートに座って、ちゃんとドアを閉めて走行していれば気がついた話だったと思う。

 なので、ベルランゴのリアドアの問題は筆者の勘違いによる問題提起であった。誤った情報をお伝えしてしまったみなさまにお詫びするとともに、コメントでご指摘いただいた読者の方に深く御礼を述べる次第である。


 さて、そんなわけで、良いところも悪いところもあるベルランゴ。走るものとしては見どころが多く、細かい気遣いではちょっと残念な感じだった。残念といえば今のところラインアップされているのは2列シートのみだが、3列仕様があればまた少し景色が変わってくるだろう。いろいろ覚悟ができる人にとって、ノア/ボクシーを避けつつ、家族をもてなすクルマという意味での存在価値はそれなりに高い。さらにいえば、運転することの楽しさも放棄しないで済む。まあ現実的な話、ディーラーの数が少ないので、製品だけで比べるのは難しいけれど、それでもちょっと面白いクルマが現れたと筆者は思う。

商用車ベースらしく充実したラゲッジ。ゴムマットの採用で濡れものを躊躇(ちょうちょ)なく積み込める

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミュニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、Youtubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。


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