クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

シトロエン・ベルランゴ 商用車派生ミニバンの世界池田直渡「週刊モータージャーナル」(7/8 ページ)

» 2020年09月07日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

ユーティリティは相当にダメ

 さて、この手のクルマに求められるユーティリティだが、ここは日本のクルマの圧勝であった。先ほどリヤシートの写真を見てもらったと思うが、そこに映り込んでいる敷居の高さ。国産ミニバンに慣れていると多分乗り込む時に蹴つまずく。国産なら低くフラットだ。ただし、このおかげで国産ミニバンほどボディ剛性が犠牲になっていない。

 次にカップホルダー。インパネ両サイドの吹き出し口の上にあるホルダーには、500ミリリットルのペットボトルがしっかり奥まで入らない。ぎゅっと押し込めば落ちない程度には固定されるが、600ミリリットルだとだいぶ不安な収まりだ。少なくとも運転席側は万一の落下を考えると止めた方がいい。

インパネ両サイドに付くカップホルダーは日本のペットボトルサイズと微妙に合わない。塗装表面のホコリに見えるのはそういう塗装。まあ変わっている

 代わりといってはなんだが、ドアポケットの容量は大きく。ここには600ミリリットルのペットボトルを3本入れて余裕がある。カップホルダーに関してはリヤシート用のテーブルに開いている穴も全く同様。フランスでの運転中の飲み物事情がどうなのかは分からないが、日本を前提にするとこれはかなりの失点だ。まあ趣味的に変態なタイプなら、そこにエキゾチックさを見出す方法もあるのかもしれないが、普通に考えれば大きな減点である。

3本のペットボトルを収容してまだ余るドアポケット

 センターコンソール回りにも小物入れがあるが、どれも何を入れるのかかなり微妙。ちなみにナビ下のポケットにスマホを入れると、なぜかエアコンでキンキンに冷やされる。写真を撮ろうと思ったら、結露でレンズが真っ白になった。これだけ冷えることが頻繁に繰り返されるとスマホ内部の結露も少し心配になる。

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