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テレワーク下でこそ威力、「顧客と会わない営業」の極意とは?「コンタクトレス・アプローチ」に迫る(1/4 ページ)

» 2020年10月11日 10時00分 公開
[長尾一洋ITmedia]

編集部からのお知らせ:

 本記事は『コンタクトレス・アプローチ テレワーク時代の営業の強化書』(著・長尾一洋、KADOKAWA)の中から一部抜粋し、転載したものです。顧客へのリアルな訪問を減らしつつ成果を挙げる新たな営業手法「コンタクトレス・アプローチ」についてお読みください。


 コンタクトレス・アプローチ(Contactless Approach)とは、顧客へのリアル訪問(コンタクト)を減らし、Web等を駆使してアプローチ数を増やすことで、より大きな成果を挙げる一連の営業行為のことを指します。

photo コロナ禍で営業が顧客に会えない……どうする?(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

「会わない」ことでなぜ成果向上?

 「会う」という行為を減らすことで生じた時間や労力を、アプローチ数を増やすことに使い、全体のパフォーマンスを上げていきます。

 とはいえ、いきなりそんな定義を語られても、「???」となるでしょう。これまで足を使って歩き回って訪問して営業してきたのに、今「会えない」ことで困っているのに、「会わない」ままで成果を挙げるとは、どういうことなんだ?――そう思われても無理はありません。

 そこで、簡単な数式を使って表してみたいと思います。

 リアル訪問でのパフォーマンスを「1」とします。一方、コンタクトレスのWeb商談では、双方が慣れない間は多少勝手が違うため、リアルにくらべると若干パフォーマンスが下がると仮定して、「0.8」とします。

 訪問(アプローチ)数は、リアルの場合は移動時間などを考慮すると1日に3件程度でしょうか。それに対してWeb商談の場合は、移動の必要がない分、それよりも多くこなせるとして、ここでは5件と考えましょう。数式で表すと次のようになります。

 1×3=3 >0・8×5=4

 つまり、リアルにくらべてWeb上でのパフォーマンスが(1→0.8)に落ちたとしても、その分アプローチ件数が増やせる(3→5)ので、結果としては大きな成果(3 >4)となる、ということです。

 この数式の数値はあくまでも仮定ですが、たとえ会えなくても、アプローチ数を増やすことさえできれば全体のパフォーマンス量を上げることができるという点は、ご理解いただけると思います。

 となると、次に「アプローチ数を実際に増やすことはできるのか?」という疑問が生まれるかもしれません。それについては営業担当者の移動時間を考える必要が出てきます。

 具体例とともに考えてみましょう。

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