コンタクトレス・アプローチには、これまでのリアル中心の営業手法と比較して、4つの大きな価値、つまりメリットがあります。私はそれぞれの英単語の頭文字をとって「4E」と呼んでいます。以下がその4つです。
Environment(環境) Ecology(生態) Efficiency(効率) Economic(経済的)
11年前の「エコロジー」と「エコノミー」を掛け合わせた「エコ営業」が進化し、さらに2つのメリットが加わっています。資源を無駄遣いせずに(Environment)、二酸化炭素の放出も抑えて地球環境にやさしく(Ecology)、時間効率もよくて(Efficiency)、経済コストも引き下げられる(Economic)。
これらが全て、コンタクトレス・アプローチによって可能になるのです。しかも、そのうえで、もちろんそのままウィルス感染対策にもなります。
著者の長尾 一洋(ながお・かずひろ)氏。NIコンサルティング代表取締役、中小企業診断士。横浜市立大学商学部経営学科を卒業後、経営コンサルティング会社で営業指導、戦略策定、人事改革などを経験し、課長職を経て独立。1991年にNIコンサルティングを設立し、日本企業の経営体質改善、営業力強化、人材育成に取り組む。『孫子』の知恵を現代企業の経営に活かす孫子兵法家としても活動中。繰り返しますが、この順序が重要です。アンチウィルスとしてのコンタクトレス・アプローチではなく、コロナ危機があろうとなかろうと、「4E」というメリットがあるからコンタクトレス・アプローチに移行すべきなのです。
とはいえ、今は世の中の関心がアンチウィルスに向いているという状況をうまく活かし、コンタクトレス・アプローチを推進するチャンスです。なぜなら、営業先のお客様の方から「会いたくない」と言われることが増えているからです。
いくらコンタクトレス・アプローチの方が効率もよくてメリットがあると思っていても、先方が「会いたいから来てくれ」と言っているのに「いやいや、お金も時間もかかるうえに効率も悪いから勘弁してください」と、これまでは言えませんでした。そんなことを正直に言ったら「コノヤロー」とお叱りを受けてしまいます。
しかし今は、「ウィルスのことも心配ですしね」と言えば、「会わない」ことがすんなり受け入れられるようになりました。「ウィルス対策」という旗を掲げながら、4Eを求めてコンタクトレス・アプローチへの改革を推し進めていくことができる、またとない機会がやってきたのです。
「営業」という仕事の価値を考えるとき、新型コロナウィルスよりも、大きな変化をもたらした要因が以前にありました。
それは、「アマゾンエフェクト(Amazon Effect:アマゾン効果)」と呼ばれるものです。アメリカのインターネット通販の巨人、アマゾン・ドット・コムの急成長に伴う経済や社会への影響、あるいは混乱、変革などの現象のことを指します。
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