「あつまれ営業マン」のようなゲームソフトをつくろうという話ではありません。企業活動の中で業務として行っている営業を、「ゲーム」のように夢中になって楽しめるようにできないか? ということです。
営業をゲームのように楽しめるものにしたい。そう聞くと、たいていの人は「そんなに都合よくいくはずない」と苦笑いするでしょう。営業を苦手にしている人なら「楽しいからゲームなんですよ! 営業は楽しくないのにゲームになるわけないでしょう!」と怒り出すかもしれません。
けれども、実は、あらゆるものは4つの要素を満たせばゲームになります。逆に言えば、今ゲームとして人々を楽しませているものは全て、4つの要素を兼ね備えています。その4つとは、次のようなものです。
1.何をすべきかが明確になっている。
2.自分が今どこにいるかが可視化されている。
3.アクションに対して即時フィードバックがある。
4.ゴールまたは目標を達成すると、何らかの報酬がある。
1つ目の要素「何をすべきかが明確になっている」は、目標や課題、何をやればいいのかがはっきりしているということです。例えば冒険をするようなロールプレイングゲームなら、地図を見ながら「この場所に行く」「話を聞いて謎を解く」などの小さな課題と、「敵を倒して平和を取り戻す」というような最終的なゴールが明確になっています。だからこそ、そこに向かってアクションを起こせるのです。
2つ目の要素「自分が今どこにいるかが可視化されている」は、自分自身の現在地や現状が、客観的な数値あるいは、ポイントやランキングなどで分かるようになっているということです。この地図上の、この島にいる。自分のパワーレベルはこれくらいで、所持金はいくら。ゲームの中では、それがはっきりと「見える」形で示されています。
3つ目の要素「アクションに対して即時フィードバックがある」は、自分が行った行動に対して、他者からの反応や称賛があるということです。ゲームをやっているときに、無音だとつまらないでしょう。やはり何かに挑戦して成功したときには「パンパカパーン」とファンファーレが鳴ってほしい。失敗したときに「ボヨーン」というような音が鳴るのも、「次はがんばるぞー」という気持ちを盛り上げてくれたりします。
4つ目の要素「ゴールまたは目標を達成すると、何らかの報酬がある」は、達成感を満たしてくれるご褒美があるということです。金銭的なものでなくて精神的なものでもOKです。「すごいね!」「やったね!」と言われると、うれしくてまたやりたくなります。
このように4つの要素がそろいさえすれば、どんなことも「ゲーム」になる。当然、営業の仕事もなり得ます。というよりも、もともと営業の仕事は「ゲーム」になりやすい構造になっています。
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