攻める総務

そこまでやるか!? 本気すぎる“タニタ式”健康経営 社員証と活動量計を一体化「簡単」「楽しい」「続けたくなる」(3/4 ページ)

» 2020年12月04日 07時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

・励ましあい作戦

 仲間と一緒に励まし合いながら日々健康を意識しようという取り組みもある。チーム内の他のメンバーは、参加者の各種データを確認することができる。仮に、ある人が計測やデータのアップロードを怠るようであれば、他のメンバーにアラートが送信され、仲間同士で声がけや応援が行われるという。

・歩数ランキングでゲーミフィケーション

 社内に、各社員の歩数ランキング、計測状況、健康宣言、食事データなどの情報を表示するデジタルサイネージを設置しているという。誰がどれだけ健康への取り組みを実施したかが一目瞭然だし、ランキング化によりゲーム感覚で自発的な行動を促すことができる。中には、「1カ月で約120万歩歩く強者もいる」(丹羽氏)そうだ。1日平均4万歩歩く計算になる。普通に考えて毎日6〜7時間歩かないと達成できない記録ではないか。驚きだ。

タニタ食堂で食に対する意識を変える

 健康を考えるときに「食」は、重要なピースである。レシピ本にもなったタニタの社員食堂の健康メニューについては、今更語る必要はないだろう。社員食堂におけるタニタの狙いは、「社員の食に対する意識改革を後押ししたかった」(丹羽氏)点にある。そのため、社員食堂で提供するメニューは、1種類だけだという。「アラカルトで提供すると、どうしても偏食気味になるので、それを防止するため」(丹羽氏)に、1メニューにしているそうだ。

 もちろんメニューは日替わりだが、毎日、次のような献立のルールを設定している。(1)バランスを考慮して「一汁三菜」、(2)1食について約500キロカロリー、(3)野菜を150〜250グラム使用、(4)塩分は3.0グラム以下。

photo タニタの社食は、一汁三菜でメニューは、1種類のみ。「飽きないの?」との問いに「不満の声はない」(丹羽氏)という

 当然、昼食以外や休日の食事は、自己管理が必要になるが、上記のメニューを日々食していると、カロリー、野菜や塩分量などに対する感覚が鍛えられ、「昨晩は、塩分取りすぎたし、野菜も少なかったので今日は調整しよう」といった形で「体内基準」が形成されるというのだ。

コロナ禍での健康経営

 コロナ禍において、自社あるいは、他社に提供している健康プログラムから得たデータを分析したところ、テレワーク時は、社員の活動量が平均的に3〜4割減るという。これを受けタニタでは、withコロナの時代のテレワーク化における健康経営の在り方を模索している。具体的には次のような施策を行っている。

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