まず、Web会議システムを使った「朝のタニタ体操」を行っているそうだ。これは、出社組も在宅組もオンラインで接続し全社一斉に体操を実施するというもの。「オンラインで接続している点がポイントで、1人では実施しない人も、ネットでつながっていると体操に参加する」(丹羽氏)そうだ。参加状況が記録され、全社的に可視化されるのでモチベーションにもつながる。
次に、家の周辺をウォーキングさせる取り組みもある。スマホの地図上に点在した「花」を集めることで、ウォーキングの歩数を増やすことを可能とするアプリを提供している。テレワーク時でも、通勤や休憩を想定した時刻にこのアプリを利用して運動力を確保しようというもくろみだ。
Web会議システムを使った全社一斉の「朝のタニタ体操」やテレワーク時のウォーキングを促すための施策を取り入れている
丹羽氏によると、企業経営者の健康経営に対する意識は年を追って高まっているという。「学生やその家族が企業を選ぶ際には、従業員やその家族を大切にするホワイト企業であるという点を重要視する。企業側もそれを意識して、従業員の健康をサポートする環境を整えるところが増えている」(丹羽氏)
つまるところ、従業員やその家族が不健康だったり、肉体的、精神的に負荷がかかった状態が続いたりすると、生産性も上がらず、収益にも影響する。冒頭で示した「健康経営銘柄」に選ばれた企業は、「何も施策を打っていない企業と比較して株価が2〜3割高いというデータもある」(丹羽氏)そうだ。
多様な働き方が求められる時代において、企業の社会的責任という意味でも、健康経営というキーワードは今後、ますます重要になるであろう。
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