――中途入社が多い貴社の「混成部隊」で開発を担うメリットとデメリットは。
まずメリットから。大手家電の出身者は、いろいろな分野をやってみたいという人が多い。前職で調理家電の経験のある人が空調家電の開発に関わったりして、過去の経験を踏まえてより幅広い開発ができるので、楽しくやれているのではないか。
加えてさまざまな分野の人がアイデアを出して開発する「混成部隊」であることも強みだ。専門分野の開発だけをする人ばかりになっては、なかなか良いアイデアが出ないが、そういった傾向のあった部署にはカンフル剤になっている。これは大きなメリットだと考えている。
デメリットはあまりないが、当社では前職のキャリアになかった業務をこなしていくことが求められる。これが積極的にできないと、アイリスのスタイルになじめなくて必然的に辞めていくことになる。ただ、残っている人たちにとっては特にデメリットはない。
――中途採用ではどういう人材を採りたいか。
前職で自分の技術を100%生かしきれず、「うっぷん」がたまっている人を採りたい。そういう人が入社して、自分の中に秘めているアイデアを生かしてくれる。前職では企画部から降りてくる仕事しかできなかったものの、自分のアイデアを吐きだせるような意欲のある人を採るようにしている。
――アイリスではマネージャーになっても開発について指示をするプレイングマネージャーを心掛けているようだが。
アイリスの場合は、開発者が発信して製品を作るので、企画、マーケティングも全てやらなければならない。なので、マネージャーとなっても管理業務だけやっていればよいのではなく、上に立つ人間でも商品設計の図面を書くなど具体的な開発にもかかわっていく。開発について、技術的な過去の経験値からくるアイデアを出していくことで、一気に製品として花が開くこともある。
――性格的に求められるものは。
一番はコミュニケーション力のある人だ。目上の人、部下ともしっかりコミュニケーションを取れる人が良い。いろんな人に話し掛け、盛り上げてくれる印象のある人を採っている。
――NEC、富士通などは最近、従業員の給与体系とは異なる破格の高給を出して優秀な技術者を獲得しようとしている。アイリスはその必要性を感じていないか。
必要とあれば専門技術を持っている人材を採用するが、当社はプロダクトアウトでモノ作りはしていない。だから、ほかの会社のような採用の仕方はしていない。消費者目線に合わせているので、採用のスタンスが違う。
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