新人研修で育む、データサイエンティストのコアとなる“書く”スキル事例紹介(2/2 ページ)

» 2020年12月25日 07時00分 公開
[リクルートワークス研究所]
前のページへ 1|2       

 「新入社員は理系の修士修了者が多く、基本的には、論文の執筆に慣れています。自分が書きたいことについて、長々と論文形式で書くことはできるのです」(佐々木氏)。しかし、「それがむしろ壁になる」(佐々木氏)というのだ。「論文は、序章から入っていくつか論拠を並べて、最終的に結論に至るという形式です。ところが、ビジネスの世界では、パッと見て何が書いてあるか分かることが重要です。文章を書く目的がどこにあるのか、根本的に考え方を切り替えないと、ビジネスにおけるよい文章にはたどり着けないのです」(佐々木氏)

 そのポイントとは、「論理的に考えて、相手目線でアウトプットを考えられるかどうかに尽きる」(佐々木氏)という。これでいいという思い込みを脱するには、他者からの目線が重要だ。だからこそ、講師によるフィードバックに力を入れる。

 最初は、メールを書くことにすら苦戦する。多くの新人が、考えた順番で書きたいことをつらつらと書いてしまうからだ。そして、「1カ月のトレーニングで見違えるように変わるかというと、そうでもない」と、佐々木氏は明かす。「ただ、悩むようになるのです。講師からのフィードバックを受けて、できていないところに気づいて悶々としているのをよく見ます」(佐々木氏)。そうやって悩むことこそ、思い込みを脱する第一歩、つまり成長の第一歩であることは間違いないのだ。

 本記事は『Works』163号(2020年12月発行)「企業で重視する書く力とは。それをどう育むのか」より「新人研修で育む/ARISE analytics」を一部編集の上、転載したものです。

 その他の記事はこちらから。

前のページへ 1|2       

© リクルートワークス研究所