――大学4年間という時間があれば、失敗も含めて多様な経験ができると思います。しかし、アントレプレナーシップの実践を重きに置いている大学は、あるのかもしれませんが、多くはないですよね。
伊藤: どこの大学も昔に比べると、ワークショップやフィールドスタディーまでは進んでいると思います。とはいえ、そこ止まりではないでしょうか。現実の社会で、少しヒリヒリするような体験を、リスクをとってチャレンジしてみようというところまで取り組む大学は、なかなかないと思います。
それは大学が、そもそも「学問を研究する」ところから始まっており、「実践するのは社会で」という分け方がされてきたからだと思います。一方で、学生の教育や実践に重きを置いて、学生が社会で活躍するためのスキルやマインドを教育して、一緒に実践していく学部もあってもいいのではないかと思っています。社会に貢献して、価値をつくっていけるように、学生を鍛えていく。無邪気な発想ですよね。既存の大学の学部には、意味が分からないと思われるかもしれませんが。
井上: でも、これは学問になると思います。
篠田: 私もそう思っています。
伊藤: 学問にしていくことも必要ですよね。最初は学問にならなくていいかなとも思いましたが、それではサステナブルではなくなります。僕らがいなくなったら終わり、みたいになりますから。学問にすることで、土台ができて、再現性もある形がつくれます。アントレプレナーシップを学生たちと一緒に研究して、学問にしていきたいですね。
(後編に続く)
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