春先から続くコロナ禍は収束の兆しを見せず、冬場を迎えて第3波が到来している。緊急事態宣言が明けてから「出社前提」へと戻した企業も、再びリモートワーク、特に在宅勤務にシフトしつつあるようだ。職場での感染も増加傾向であり、通勤、移動途中の感染リスクも高まっている。このような中、リモートワークは完全に市民権を得て、ニューノーマルの働き方となりつつあるのは誰しもがうなずくところだろう。
その結果、それぞれの環境や立場、行っている仕事により違いはあるが、通勤時間がなくなったことで「家族との時間が増えた」「自己啓発に時間を割ける」「集中したい仕事がはかどる」――という意見も数多く挙がっている。
一方で、家庭環境によっては、むしろ生産性が低下するという声もまた多い。ここで重要なのは、「選択」だ。企業としては最大限の選択肢、働く場の提供であり、従業員は、その多様な選択肢から自律的に、生産性が最も高まる場を選択することである。
感染拡大がやや落ち着いていたころは「在宅勤務かオフィスか」という二項対立的な議論もされていた。しかし、今となってはオフィスも、在宅勤務も、サードプレースも、あらゆる場所の中から生産性高く働ける場所を選ぶ、「ハイブリッドワーク」が主流となっている。
「特定の場所でしか働けない」となると、その場では生産性が高まる人もいれば、逆の人もいる。しかし、生産性が高まる場を自ら選択できれば、場による生産性の議論は生まれなくなるだろう。
ただし、リモートワークが進展することでの負の側面も見逃してはならない。特に、コミュニケーション面に関する課題は、多くの企業で挙がっているし、メディアでも紹介されている。
では、コミュニケーション総量の減少は、具体的にどういったデメリットを生んでしまうのか。リモートワークを巡り、しきりにコミュニケーション面での課題が挙げられることが多いが、何が問題なのかを理解している人は意外に少ないのではないか。
今回は、筆者が編集長を務める『月刊総務』で全国の総務担当者を対象に行った調査(n=253)を基に、具体的に解説していこうと思う。
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