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人事の課題をHRテックで解決 Thinkingsが掲げる「採用の解像度を上げる」ビジョンとは業務の複雑化とツールの乱立が課題(3/4 ページ)

» 2021年03月09日 17時36分 公開
[田中圭太郎ITmedia]

HRテックツールは多すぎる

 本間氏はさらに、Thinkingsに解決を期待したい点と前置きした上で、日本のHRテックの課題を挙げた。それは、HRテックのツールが多すぎることだ。

 「HRテックはツールがありすぎて、どのツールが本当にいいのか評価が難しいと感じています。今回投資するにあたって、いくつかの企業にヒアリングしても、どのツールが使いやすいのかについては意見がバラバラでした。人事担当者も違いをよく分かっていないことがあります。

 すでに会計ソフトなどは、厳しい競争の中で評価にさらされてきました。おそらく、人事の領域も今後そうなっていくと思います。いいものが残っていくためには、データやエビデンスを出していく必要があるのではないでしょうか」

 この課題に吉田氏は、「SONAR ATS」では利用している企業のデータから見える採用課題の傾向をもとに機能開発を進め、足りない部分を他社のツールと連携することで「効果のある採用を実現したい」と意欲を語った。

 「採用がうまくいくのは、企業側の理念と、応募者側の思いが重なったときだと思います。しかし、企業側としては求人を作って流通させてから、応募の受付、面接、採用と、入社までにいろいろなことがあり、見るべき情報が多すぎて、採用のハードルが高くなっています。

 本間さんが指摘した通り、採用のツールが乱立していて、現状では決定版と言えるものはないと思います。求人情報を流通させて適切にターゲットに届かせることと、応募から人材を見極めることは、HRテックがテクノロジーで解決すべき課題だと考えています。

 SONAR ATSには採用ツールや、マッチングの実態についてのデータが蓄積されています。今後はオンライン面接の分析や、入社して5年後、10年後にどう活躍しているのかといったデータも活用されていくのではないでしょうか。こうしたデータを管理しながら、いかなる機能を開発していくのか、他社とどのように連携していくのかを考えて、効果的な採用を実現したいですね」

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