想定の5倍以上! なぜデロンギのサブスクは「受付→停止」を繰り返すのか水曜インタビュー劇場(コーヒー公演)(2/6 ページ)

» 2021年04月14日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

試験的にサブスク

土肥: 「ミーオ!デロンギ」がとんでもないことになっていますね。サービスを始めたものの、すぐに受付停止に追い込まれました。しかも、三度もあって、いまだに再開日を発表していません(4月13日時点)。

 「ミーオ!デロンギ」は、コーヒー豆を定期購入するお客に、デロンギの「マグニフィカS 全自動コーヒーマシン」(5万4780円)を無料で提供するサービスですよね。契約プランは2つあって、毎月3袋のコーヒー豆が届く「毎月お届け便」(4500円)と、隔月で6袋が届く「まとめてお届け便」(7800円)がある。また、コーヒー豆はイタリアのブランド「ムセッティ」のもので、6種類から選択できるようにしました。

 このサービスの最大の肝は、最低購入回数の条件(毎月お届け便は24回、まとめてお届け便は12回)を満たせば、2年後には全自動マシーンが手に入ること。ということもあって、SNS上では“計算”している人が多いですよね。「毎月と隔月、どっちがトクなんだ?」「いずれにしても安い」といったコメントがありますが、そもそもなぜこのようなサービスを始めたのでしょうか?

「ミーオ!デロンギ」サービス利用の流れ

木村: デロンギの本社はイタリアにあって、グローバルに展開しているんですよね。ここ数年、日本のコーヒー事業は二桁成長を続けているのですが、海外は違う。さらに伸びているので、日本でもなんとかしなければいけません。ただ、成長のボトルネックとして「価格の高さ」があるのではないかと感じていました。

土肥: デロンギのコーヒーマシーンは、5万円〜20万円ほどしますよね。

コーヒー豆は6種類の中から選べるようにした

木村: はい。コーヒーは嗜好(しこう)品なので、なくても生活を送ることはできる。また、カフェで楽しむことはできますし、コンビニで買うことはできますし、自動販売機で缶コーヒーを飲むこともできる。日本独特の外部環境もあって、思ったとおりの成長ができていませんでした。

 こうした課題を解決するには、どうすればいいのか。小売店だけで販売していても、海外に追いつくことはできない。直販のような形で展開することはできないかと考え、2019年4月にサブスクサービスを始めるために、各部署から担当者を集めました。で、その年の秋、試験的にサブスクを始めました。

土肥: どんな内容でしょうか?

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