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にわかに進む「週休3日制」議論が空虚な“改革ごっこ”に陥りそうだと思うワケスローガンには要注意(1/5 ページ)

» 2021年04月28日 05時00分 公開
[川上敬太郎ITmedia]

 一時期、雇用労働分野の話題には、必ずといっていいほど「働き方改革」という言葉が使われ、流行語大賞にノミネートもされました。そして現在でも、流行語のように頻繁に用いられる言葉がいくつも思い当たります。

 代表的なものとしては、「同一労働同一賃金」「ジョブ型」「男性育休」などがあります。実際に、これらのワードを用いてさまざまな企業が“改革”を進めています。しかし、“改革”という割には「あまり変わった気がしない」とか「謳われている言葉と実態にズレを感じる」などと疑問に思ったことはないでしょうか?

 そんな中、読売新聞が4月13日に「『選択的週休3日制』の導入、諮問会議で議論へ…民間議員提案」と題した記事を報じました。

 記事では「従業員の学び直しへの支援を強化するため、選択的週休3日制を導入するなど働きながら学べる環境を整備すべきだ」とその趣旨が伝えられています。「週休3日制」については他にもNHKなどさまざまなメディアが報じており、雇用労働分野の新たな流行語になった感があります。

みずほ銀行が週休3〜4日制の導入検討を発表した際は大きな話題となった(出所:ゲッティイメージズ)

 「同一労働同一賃金」「ジョブ型」「男性育休」、そして「週休3日制」―――これらはどれも、新しいワークスタイル時代の到来を期待させるパワーワードです。しかし、その期待感が“ベール”となってしまい、実態が見えづらくなっている懸念があります。

 中には実際に、これらのキーワードに基づいた新しい取り組みも見受けられますが、よくよく中身を見てみると、実は旧来システムの名前を付け替えただけのようなものもあります。

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