そうした複数の追求価値の間で葛藤が生じた場合、最善の答えをどこにつかめばよいでしょうか。それは結局、自分がどの価値軸に肚をくくれるかにかかっています。その決断によって最悪の結果が出たとしても、肚をくくった方向性であれば禍根や後悔はなく、自分のなかでおさまりがつくでしょう。
個人が自分の身の回りのことを「決める」ことですら心労です。ましてや集団の利益を代表するリーダーにとって「決める」ことは、さらなる心労であり難事です。集団が大きくなればなるほど、その内部にはたらく力学も複雑になるからです。複雑な力学の中で、リーダーがどの価値軸に肚をくくるか、そしてそこに至った理由をどう説明するか、フォロワーはそこをきちんと見守り促すことが求められます。(村山昇)
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