6月21日、JR東海は「あいち冷やし旅キャンペーン」を7月から展開すると発表した。酷暑で知られる愛知県で涼しいスポットを巡る旅を提案する。詳細は、別記事「見据える先はジブリパーク〜 猛暑の愛知で冷やし旅? コロナ影響続くJR東海「奇策」の狙い」に譲るとして、このキャンペーンの前哨戦として2020年7月から展開している「ずらし旅」がある。「冷やし旅」の名づけは「ずらし旅」の語呂を踏まえたといえる。
すでに語り尽くされているけれども、新型コロナウイルスの影響で東海道新幹線は大打撃を受けた。旅行需要の減退はもちろんのこと、ビジネス需要の消失が手痛い。出張が抑制され、オンライン会議、リモートワークの普及など、移動需要が消えた。そこで生み出された企画が「ずらし旅」だった。東海道新幹線の販売促進として、観光旅行需要に真剣に向き合った施策だ。
東海道新幹線はビジネス需要が多く、近年の営業施策は「エクスプレス予約」などのリピーター獲得だった。もちろん旅行需要は認識していただろうけれども、京都という最上級の観光都市への需要が大きく、テコ入れする必要もほとんどない。
関連会社のJR東海ツアーズと組んで「ぷらっとこだま」という格安クーポンを販売しているけれども、これはどちらかといえば「ビジネス客で混雑する“のぞみ”を避けて“こだま”に乗ってほしい」という施策でもある。
鉄道模型は「走らせる」に商機 好調なプラモデル市場、新たに生まれた“レジャー需要”
運賃「往復1万円」はアリか? 世界基準で見直す“富士山を登る鉄道”の価値
JR九州の新型観光列車「36ぷらす3」の“短所を生かす”工夫 都市間移動を楽しくする仕掛けとは
観光列車は“ミッドレンジ価格帯”の時代に? 新登場「WEST EXPRESS 銀河」「36ぷらす3」の戦略
ローカル鉄道40社を訪ねる「鉄印帳」が大ヒット 「集めたい」心を捉える仕掛けCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング