すでに6、7を除く5つのエリアが、本社オフィスの1フロアでオープンしている。
興味深いのがHigh Collaborationエリアのレイアウトだ。ここは、チームがミーティングを行うためのエリアだが壁がない。16の区画を仕切るのは床に描かれたグリッド線のみ。その区画ごとに異なる家具が置かれている。
「Face to Faceでの共創には刺激があったほうがいい」と梅田さん。「いつもと同じような会議、いつもと同じような議論にならないため、用途の異なる家具を配置している」と言う。
また、16グリッドのうち6グリッドに配置している家具は自社所有のものではなく、サブスクリプションだという。年に1度、利用率を調査したり、利用者の声を聞いたりして、適切かどうかを見直せるようにしたのだ。
壁を作らず、グリッド線を引いただけのレイアウトにしたのには理由がある。隣で行われているミーティングの声が聞こえてくることにより、自然に情報共有が行えるようにした。そうして部門を超えたコラボレーションを生み出してほしい、という期待を込めている。
「部門内のコラボレーションだけではなく、部門を超えた、より高いコラボレーションが行えるのがHigh Collaborationエリア。リモートではなかなか起こり得ない共創を期待している」(梅田さん)
High Creativityエリアには、アイデアを生み出しやすい仕掛けを施しているという。リラックス気分を生み出すグリーンを配置したり、そこに居合わせた人と会話しやすい環境を作ったり──というものだ。
複数人で会話できるスペースと1人で作業するスペースをランダムに配置することで、1人で考えている最中に行き詰まったら、ちょっと出掛けて人と会話し、そこでふくらませたアイデアを、1人用スペースに戻って練り上げる──といったことが可能になるという。
旅客機にあるファーストクラスのような座り心地の良い椅子のある部屋や、プラネタリウム空間など専用の部屋も用意し、リラックスしてアイデアを生み出しやすくしている。この専用空間には、個々の従業員に「会社から大切にされている」と感じてもらい、満足度を高める狙いもある。
活発に議論を行うHigh Collaborationエリアと、集中して作業を行いたいHigh Focusエリアは隣接しているが、会議の声が聞こえるとなると、集中力を削がれてしまうことはないだろうか。
梅田さんは「私自身は、カフェなどの“ワイガヤ”空間のほうが集中できる」と前置きした上で、「とはいえ、うるさすぎる、まぶしすぎる空間では難しい。そこで、High Focusエリアでは集中力を高める3つの工夫を施した」と続ける。
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