紙で保存ができなくなる 改正電子帳簿保存法がもたらす、意外な落とし穴(2/3 ページ)

» 2021年10月27日 15時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

「受け取ったPDFをフォルダに保存」では、要件を満たせない

 請求書や領収書などは、メールにPDFが添付され届くことが多いだろう。ところが、検索機能の確保では、次の3つの要件を求めている。

  1. 日付、金額、取引先の3つの項目で検索できること
  2. 日付、金額は範囲を指定して検索できること
  3. 2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できること

 なるほど、日付と取引先はともかく、PDFの中に記された金額はメールボックスを検索するだけでは分からない。「1万円以上の領収書を表示」というような検索ができなければいけないというわけだ。企業は、法改正される1月までに何らかの対応を求められることになる。

 もちろん実務上の対処法はあって、例えば、PDFのファイル名を、「日付−取引先−金額」といった命名ルールに従って変更し、保存しておくという方法もある。または、Excelなどに日付と取引先と金額を記入し、それを索引としてファイル名が分かるようにするのもありだ。

改正電子帳簿保存法が求める「検索機能の確保」の3つの対応方法(deepwork資料より)

 しかし、これは書類を扱う担当者が少なく、確実にルールが徹底できないと運用できない。できれば、電子データを自動で管理してくれるSaaSサービスが求められるところだ。

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