市場の変化を踏まえて開発した「クラフトボス」。ワークスペースに置いて仕事をしながら飲む「ちびだら飲み」を想定し、ウイスキーの瓶を模した丸みのあるボトルを採用。透明ラベルにブランドロゴを配すことで、本格的なコーヒー感とクリアさを演出した。17年4月にはブラック、同年6月にはラテを発売したところ、想定を超える速さで評価を得ることになった。
「当時、働き方改革の中で『うちのオフィスはおしゃれじゃないしな』とか、『ニュースに出るほどそんなに進んでないんだけどなあ』と感じている人でも、『クラフトボスを持っていると働き方が変わったような気がする』との声を多くいただきました。クラフトボスは、働き方やコーヒーに対する憧れを叶えられる商品として受け止められているのだと驚きました」(大塚氏)
19年にはティーシリーズ、21年8月には抹茶ラテの発売とコーヒーにとらわれない商品展開を進め、新たな層の獲得にも成功している。なぜ、コーヒーブランドのボスから紅茶や抹茶ラテを展開しているのか。大塚氏に尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。
「ボスはコーヒーブランドというよりも、『働く人の相棒』です。今まで紅茶飲料は、主に若年層と女性が飲んでいましたが、クラフトボスの紅茶はどちらかといえばコーヒーを好んでいた男性がよく飲んでいます。抹茶ラテは、コロナ禍で気が休まらない中、“働く人の相棒”として憩いの時間もサポートしたいとの思いで発売しました。
働く人の喜怒哀楽や悩みにどう寄り添っていくのか。商品を通じて息抜きをしていただきたい。コーヒーがメインであることは変わりませんが、『働く人の相棒』という軸からブレなければ今後もチャレンジしていくことはありうると思います」(大塚氏)
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2リットル大容量コーヒーも投入 サントリー「BOSS」、イエナカ戦略を強化Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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