同社の20年時点の推定では、缶コーヒーの主なユーザーは男性が60%超。一方で、クラフトボスは男女・世代問わずに飲用され、缶コーヒーでは獲得できていなかった新たな層を取り込むことにつながった。しかし、同社の調べでは、クラフトボスを飲んだことがある人はまだ36%。同社が展開する代表的な缶コーヒーの飲用経験者は53%なので、それと比較してもまだ成長できる可能性があると分析。
そこで、発売5年目となる今年3月に、クラフトボスのコーヒーシリーズを一新。ウイスキーの瓶を模した特徴的なボトルは、テレワーク先でも持ち運べるようスリム化。
ラベルの幅を約3割短くすることで中身がより見えるようにし、ボコボコした触り心地が特徴のエンボス加工を拡大。手に持った時の感覚で安心感が得られるようにした。背景には、コロナ禍などの影響で直接モノに触れる機会が減っていることがある。
定番商品になりつつある商品を刷新することに社内では懸念する声もあったというが、コロナ禍の閉塞感を打開する意味を込め、大幅なリニューアルに挑戦。その結果、コロナ禍で減少した飲用率は19年並みにまで回復。スリム化したことで車のドリンクホルダーにも入るようになり、オフィスワーカー以外にも飲んでもらえるようになったという。
クラフトボスの発売を機に、同ブランドが開拓したペットボトル入りコーヒー市場では、次々と新たな商品が生まれている。その中で5年間も多くの支持を得ていることについて、大塚氏は「ボスブランドが築いてきた資産だ」と胸を張る。
「『ボスのCMは面白い』『ブランドが好き』という声をよくいただきます。クラフトボスは、ブランドは好きだけど“私でも飲める商品”がなかったというお客さまにマッチした商品なのだと考えています。ボスブランド誕生から約30年、缶コーヒー、そしてクラフトボスと『働く人の相棒』として訴求し続けてきたことをお客さまに評価していただけた結果かと思います」
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