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楽天経済圏での仮想通貨の可能性 楽天ウォレット、山田社長に聞く金融ディスラプション(2/4 ページ)

» 2021年11月26日 13時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

ステーブルコイン取り扱いに期待

国内で仮想通貨が決済に利用できるようになるためには、何がポイントなのか?

山田氏 ステーブルコインが挙げられる。法定通貨に連動しているので、その価値が担保されている前提だが、ドルペッグ(ドルに連動した)のステーブルコインが証拠金として使われるケースも増えている。

 ビットコインやイーサリアムでは価格変動が激しいので、決済で使うのが難しい。さらに決済時にも雑所得対象となるので、使うとなると税計算が煩(わずら)わしい。日本でも、ステーブルコインを暗号資産交換業者が扱えるようになって、さまざまな決済に使えるようになることが最初のステップになる。

 海外でもCBDC(中央銀行デジタル通貨)のようなものが発行されると、デジタル通貨の利便性が高まってくる。ただし先進主要国では研究段階なので、まずはステーブルコインがその役割を担うだろう。

ステーブルコインは、現状の日本の法律だと暗号資産に分類されない。法的な整理をどう見るか。

山田氏 暗号資産は資金決済法の中での取り扱いだが、ステーブルコインは資金移動業の範疇(はんちゅう)になる。この点について法整備は進むと理解している。昨今も金融庁のほうで、委員会が開かれて議論されている。

 楽天グループには、オンライン電子マネーの楽天キャッシュがある。楽天ウォレットとしてもこれらにつながるサービスを展開しているので、そこは進めていく。

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