リモートワーク導入企業の4割超「人事評価の問題が発生」 どんな問題?人事担当者300人に調査

» 2021年12月08日 13時30分 公開
[らいらITmedia]

 リモートワーク導入によって、新たな問題が発生・拡大した企業は47%――人材サービスを展開するビズリーチは、10月にビズリーチを利用する人事担当者316人を対象にアンケートを実施し、こうした結果が判明した。

ビズリーチがリモートワークに関する調査を行った(提供:ゲッティイメージズ)
リモートワーク導入によって新たな問題が発生・拡大した企業は47%

プロセスではなく成果がより評価される傾向に

 発生した問題で最も多かった内容は「チームでのコミュニケーション状況の把握・評価ができない」で65.8%を占めた。次いで、「モチベーションや感情といった業務外の面の把握・評価ができない」が57.3%だった。リモートワークによってコミュニケーションの機会が減少し、定性的な情報の把握や評価が困難になっている現状が明らかとなった。

発生した問題で最も多かった内容は「チームでのコミュニケーション状況の把握・評価ができない」で65.8%を占めた

 こうしたことから「より実績に基づいた評価がされる傾向にあり、コンピテンシーの側面が評価しづらい」「日常から得られる情報が減り、プロセスから成果へと評価の比重が移っている印象がある」といった意見も出た。

 リモートワークで拡大した既存の人事評価の問題点では、「評価者による評価のばらつき」(48.2%)や「評価基準があいまい」(45.5%)という回答が多い結果となった。

リモートワークで拡大した既存の人事評価の問題点で最多の回答は「評価者による評価のばらつき」(48.2%)

 新たに発生した問題の解決に向けて実施していることには、「1on1やフィードバックの頻度を高める」「人事評価制度の変更」「システム・テクノロジーの導入」が挙がった。「評価面接・フィードバックの頻度を高めている」「1on1ミーティングの推奨に加えて、グレードに応じた定性評価基準を策定した」「バーチャルオフィスなどの導入」といった回答が寄せられた。

 東京都産業労働局の調査によると、東京都内にある従業員30人以上の企業のうち、2021年10月のリモートワーク実施率は55.4%と過半数に達している。リモートワークは新しい働き方となった一方、人事評価における問題も生まれ、各社が方針を模索している実情が浮き彫りとなった。

 今後はリモートワーク実施の有無だけでなく、リモートワーク上でどのように従業員とコミュニケーションを行い、適切な人事評価を実施できるかを検討し、対応していくことが求められる。

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