マザーズ上場企業はどのSaaSを使っている?:メタップス編あの企業が使うバックオフィスSaaS(3/3 ページ)

» 2022年01月11日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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人事マスターデータにはSmartHRを

 労務管理にはSmartHRを使っている。17年にメタップスで導入し、その後子会社でも導入を進めた。上場後、増加した入退社を一元管理するために導入した。「労務周りの手続きを簡素化できるのがメリットだが、人事のマスターデータとしても利用している」と、人事総務部部長の笠原浩二氏は話す。

人事総務部部長の笠原浩二氏(左)と人事総務部IT戦略グループの堤亮介氏(右)

 一方で、SmartHRの料金プランは「1人あたりいくら」の形なので、社員数が増加するとコストパフォーマンスが悪くなってくる。メタップスでは500人あたりを分岐点と睨んでいる。

 出退勤管理に使っているのはKING OF TIMEだ。13年から利用しており、幅広い機能が特徴だ。メタップスでは使ってはいないものの、出退勤打刻次に位置情報を取得することもできる。リモートワーク導入に当たっては、こうした仕組みを評価した企業もあったようだ。

 採用管理システムには、Talentioを採用。また、人事評価にはHRBrainを21年から使い始めた。メタップスでは、職務と職能の2軸で評価をしており、それぞれ計算ロジックが異なるため別々のスプレッドシートを用意していた。しかし、権限管理も大変で、SaaSを探していたところ、HRBrainが唯一、メタップスが求めるカスタマイズに対応できたことで採用を決めたという。

 電子契約にはクラウドサインを採用。「規模が一番大きく、比較した中で使いやすかった」(人事総務部IT戦略グループの堤亮介氏)ことが決め手だった。紙で受け取った契約書もスキャンしてクラウドサインにアップロードしており、「クラウドサインで契約書台帳も管理している」と活用している。

 ほか、グループウェアとしてはGoogle Workspace(旧G Suite)、CRMにはSalesforce、社内コミュニケーションにはSlackという、このあたりは定番の構成だ。ナレッジ共有にはConfluenceを16年から導入。会議の議事録から作業手順まで、何でもConfluenceに入れているという。

 社員300人近い上場企業であっても、意外とスタートアップに近いSaaSを活用しているのは、メタップスがIT企業だからだろうか。当連載では、各社がどんなSaaSをバックオフィスに導入しているのか、その実態を聞く。自社の利用しているSaaSについて話していただける企業があったら、ぜひ編集部まで連絡してほしい。

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