変革の財務経理

金融機関に評価される「経営改善計画書」の書き方NGポイントは?(2/5 ページ)

» 2022年02月03日 07時00分 公開
[企業実務]

【NG 1】情に訴える

 友人から借金をお願いされたときを想像してみてください。大切な友人ならば情に訴えられたら貸すかもしれません。これは、信頼とか義理とか恩の世界です。

 しかし、銀行は融資をしてそこから利益を得るビジネスの世界です。情に訴えても効果はありません。「○○銀行とは、20年来のお付き合いで……」「とにかく頑張る所存でございます……」というのはNGです。

【NG 2】現状を把握していない

 ギャンブルが好きだったり、浪費癖のひどい友人から「お金を貸して欲しい」と言われたらどうでしょうか。「どうして借金をするようなことになったのか」をきちんと理解していないようであれば、借りたお金を返さないどころか「また貸してください」となる

でしょう。

 銀行も同じです。会社の現状、市場の状況を理解していない企業には融資できません。

【NG 3】返済する手立がない

 借金を申し込んだ人に「どうやって返すのか?」と尋ねても、「とにかく返しますから、お願いします」というだけでは、貸せません。

 銀行も同じです。具体的に「このようにして返します」という計画がなければ貸せません。

【NG 4】実行する気持ちが伝わってこない

 借金を申し込んだ人が「無駄遣いを減らしてアルバイトを増やします」と言ったとしても、本人のやる気や本気度が伝わってこなかったら貸せません。

 銀行も同じです。売上を前年比110%にしますと「数字だけをいじった計画」だったり、ただ「営業に力を入れます」というような抽象的な計画では、融資はできません。

【NG 5】経営トップが本気でない

 隣の家の子どもから「10万円貸してください」と言われたらどうでしょうか。肝心要の「親」が、10万円の借金をどう思っているのかが気になります。

 銀行は、社長が本気かどうかを気にします。社長に経営改善計画書の数字の根拠を尋ねたところ、「それは経理に聞いてくれ」、売上の計画は「営業に聞いてくれ」では不安になります。

銀行が評価する作成のポイント

 このように、金融機関からの視点を理解することができれば、評価される経営改善計画書の書き方も理解できるはずです。金融機関に評価される「経営改善計画書」のポイントは、次の5つです。

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