ビットコインを数秒、1円以下で送金 ビットバンク、Lightning Network採用へ金融ディスラプション(2/4 ページ)

» 2022年02月16日 11時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

ビットコインの課題を解決するLightning Networkの仕組み

 そもそもLightning Networkとは何か? これは特定のソフトウェアを指すのではなく、送金プロトコルを指す。「ブロックチェーンにデータをほとんど乗せることなく、ビットコインをトラストレスに送金する技術」だと、ビットバンクでNLoopを開発したPlatform部クリプトチームの宮本丈氏は説明する。

 もう少しかみ砕いてみよう。

 Aさん(Alice)とBさん(Bob)の間で、ビットコインをやりとりすることを考えてみる。まず両者が、箱(ペイメントチャネル)にビットコインを預け入れる(デポジット)。AさんがBさんに1BTCを支払ったら、箱の中のビットコインの所有数を変更し、AさんのBTCを減らし、BさんのBTCを増やす。逆に、BさんがAさんに支払ったら、AさんのBTCを増やし、Bさんのを減らす。「2人の間で共通の残高を持って、残高を移行させることで決済を完了させることにする」(宮本氏)仕組みだ。

Lightning Networkのペイメントチャネル(ビットバンク資料より)

 AさんとBさんの間では、何度送金が行われても、このチャネル内での記録の変化で済む。最終的に、チャネルをクローズするときには、最初にデポジットしたときとの差分をビットコインブロックチェーンで送金処理する。

 これによって、細かな送金はチャネル内で処理され、ブロックチェーンを使わないため、低コストかつ高速に送金を実現している。

 この仕組みは、AさんとBさんの2者間だけでなく、3者間でも成り立つ。Aさん(Alice)とCさん(Carol)が、間にBさん(Bob)を介して送金する仕組みが下記だ。BさんがAさんとCさんの両方とチャネルを開き、それぞれの残高を調整することで、送金が行われる。

複数のノードを介した送金も行える(ビットバンク資料より)

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