このように複数のノードを介してP2Pで接続することで、ブロックチェーンを使わない高速低コストな送金を可能にするのがLightning Networkだ。ただし、このとき中継地点にあたるノード、先の図だとBさん(Bob)には大きな負荷と課題が発生する。
P2Pネットワークというと、メッシュ状の構造をイメージしがちだが、実際はノード間でチャンネルを作成、維持するにはコストがかかるため、ノードの構造はハブ構造に近くなる。多くのノードが接続するハブノードは、LP(流動性プロバイダー)と呼ばれる。
例えば、取引所からの出金にLightning Networkを使ったときに、どのような問題が起きるのか見てみよう。取引所の事業とハブの事業は独立したものであるため、初めは取引所尾が外部のLPを介してネットワーク全体に接続しているものとして解説する。
取引所とLPとの間のチャネルを見ると、取引所からの出金が続けばチャネル内の残高が片方に寄ってしまい、ついには送金ができなくなってしまう。いったんチャネルを閉じて作り直せばいいのだが、「安定して稼働しているチャネルはできるだけ閉じたくない」(宮本氏)。
そのために行われるのが、Lightning Nnetwork上のビットコインと、例えばイーサリアムなど別の資産とを交換するサブマリンスワップだ。LPと開いたチャネルの残高は、これによって元の比率にバランスが調整され、再びLightning Networkのチャネルとして利用できるようになる。
また別の観点で見れば、これはビットコインで他の仮想通貨を購入できることも意味する。いわゆるDEX(分散型取引所)としても機能することになる。
話が長くなったが、今回ビットバンクが開発して公開した「NLoop」はサブマリンスワップを実現するものだ。これにより、安定したチャネル運用が可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング