――オンライン会議が増え、リアルなコミュニティーの重要性が再認識されていますが、気が合う人同士で働けるのは通常の会社では難しい面があります。今後、コロナによって“働く場”はさらに多様化していくと考えられますが、どのように考えていますか。
石原: コロナ禍とコロナ後で変わる部分はあるかもしれませんが、テレワークはなくならないと感じています。それは、優秀な人材を確保するのに重要な要素になっていくと考えるからです。私の周りにも、テレワークの方が快適で、もし週5日オフィスに出社するとなったら「会社を辞める」という方が一定数います。
優秀な人ほど、その会社に固執する必要がなく、同じような業務内容であるなら「自分が働きやすい場所の方が良い」と考えて転職してしまうと思います。ということは、中長期的にみると、“働き方”について柔軟に対応している会社に優秀な人材が集まり、対応してこなかった会社は、淘汰される時代になるのではないかとみています。
ただその時に、在宅ワークだけが良いのかというとそうではなくて。在宅・オフィス・コワーキングスペースやサテライトオフィスのようなサードプレースをバランスよく活用することが重要です。これはライフステージによっても、比重は変化していきます。
例えは、子どもが赤ちゃんのときは近くで見ておきたいからと在宅での仕事に比重を傾ける。やがて歩き始め、仕事中にも騒ぎ始めるころになると、家じゃ集中できないからオフィスやサテライトへと比重を変える。といったような柔軟な対応が求められるのではないでしょうか。
そうした理由で、結婚・出産などのライフステージに合わせた“働き方”を柔軟に選択できる世の中になっていくと思いますし、そのようにする必要があると使命感のようなものが私自身のなかにもあります。
結婚や出産によって本当は働きたいんだけど仕方なく辞めてしまう女性社員が一定数いますよね。あれは、大きな社会損失だと私は思っています。ただでさえ、少子高齢化で日本の労働人口は減っていくなかで、全員が活躍できる社会にするためにも、私たちも含めて柔軟な働き方や場を提供していく必要があると強く思います。
以上が、石原社長のインタビュー内容だ。次回はpoint 0 marunouch施設内部の特徴やこだわり、実験結果などを紹介する。
太田祐一(おおた ゆういち/ライター、記者)
1988年生まれ。日本大学芸術学部放送学科で脚本を学んだ後、住宅業界の新聞社に入社。全国の工務店や木材・林業分野を担当し取材・記事執筆を行った。
その後、金属業界の新聞社に転職し、銅スクラップや廃プラリサイクルなどを担当。
2020年5月にフリーランスのライター・記者として独立。現在は、さまざまな媒体で取材・記事執筆を行っている。Twitter:@oota0329
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