マクアケは3月1日、プラットフォーム上に掲載するプロジェクトの考え方と基準における「Makuake基本方針」を発表した。
この基本方針の公開にいたった背景としては、「Makuakeの考える『アタラシイ』とは何か、またそれに基づくプロジェクトの掲載基準とは何かということについて方針を示すことが本サービスの理解促進及び、より充実した活用につながると考えた」と話している。
同発表では、以下のとおり、マクアケの掲載基準における3つの指針が示されている。
(1)プロジェクトの要素に「アタラシイ」があること
(2)実行者にとって「挑戦」や「ストーリー」があること
(3)基本条件をクリアしていること
「アタラシイ」については、既存の市場におけるコンセプトや技術、デザインなどの新規性だけではなく、実行者自身や商品、サービスからサポーターが享受する価値に明確な差異があるものも含まれるとのこと。
具体的には、既存商品・サービスと比較して使い勝手を向上させた、素材を変えて環境に配慮した、日本市場に初めて進出を果たしたなど。また、エンターテインメント領域の活動や伝統産業や歴史ある施設・行事など、後世に残すための新しい挑戦もOKとなる。
「応援購入サービス」の特性上、通常のECサービスと異なり、実行者にはサポーターの応援を受けるに値する「挑戦」や「ストーリー」などの訴求ポイントがあるべきだとも言及されている。
最後の「基本条件」については、法令順守など細かい記載があるが、「ザ・ウォッシャー・プロ」で問題視されたポイントの関連箇所のみ抜粋して紹介したい。
今回、サポーターや消費者は「海外製品の輸入販売ではないか」「ブランド社がイチから開発に携わっているのか」といった疑問や不安を抱いていた。結果的に、海外製品の輸入販売ではなく、海外メーカーへの製造委託(OEM)による「自社のオリジナル製品」であり、日本仕様のデザインや内蔵基板に変えるなどの新規性を持つモノだったが、プロジェクトページでは、その事実が正しく伝わらなかった。
こういった課題に対して、マクアケでは「商品が輸入代理商品、及び海外OEM/ODM商品である場合における記載」を実行者にうながすと発表している。担当者は以下のように説明を加えた。
「この点については、今回新たに見直した指針です。輸入代理商品については、21年9月よりページの冒頭部分に正規代理店である旨の記載、海外OEM/ODM商品については、22年2月後半よりプロダクトのオリジナル性や特徴のほか、製造委託製品である旨を記載するよう、運用を徹底しています。また、必要に応じて『製造元の中国メーカーのサイトで、類似品が販売される可能性がある』といったリスクの明記もうながします」
今回の一連のトラブルやマクアケが発表した基本方針を踏まえ、クラウドファンディングの各プロジェクトが健全に運営されることを願いたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング