ハラスメント問題やコンプライアンス問題に詳しい弁護士・佐藤みのり先生が、ハラスメントの違法性や企業が取るべき対応について解説します。ハラスメントを「したくない上司」「させたくない人事」必読の連載です。
今回の連載のテーマは「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)」。前編「“男のくせに育休なんて”──育児参加する男性への『パタハラ』 2022年4月の改正育児・介護休業法との関係は?」でお伝えしたように、パタハラとは主に、男性従業員が育児休業を取得したいと申し出たり、実際に取得したりした際に、上司や同僚からなされる嫌がらせのことです。
後編では、「パタハラ」が訴訟に発展してしまった事例をご紹介します(大阪高裁2014年7月18日判決)。
男性看護師Aさんは、医療法人Yが運営する病院に勤務していたところ、妻の出産を機に3カ月間の育児休業を取得しました。
法人Yの「育児介護休業規定」には、「育児休業中は『本人給』のみ昇給する」と定められており、3カ月以上の育児休業を取得した場合、定期昇給時に『職能給』(経験年数や能力に基づく等級に応じて支給される基本給)を昇給させない運用がなされていました。これは、育児休業中は就労していないため、能力が向上しないことを考慮してのことでした。
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