そんな“マスク信仰”の強さは、国内経済からもうかがい知ることができる。これから先も楽しく快適なマスク生活をしていこうという「withコロナ」ならぬ、「withマスク」のビジネスが大いに盛り上がっているのだ。
例えば、3月14日、フォーティーズ社が「日本初の食事用マスク」のオンライン販売を開始した。これは飲食をするときだけマジックテープをはがして、口元を開放することができるというもので、多くのニュース番組や情報バラエティーでも取り上げられたのでご存じの方も多いだろう。
また、3月2日には、ライフオンプロダクツがマスクに取り付けて、内部の空気を循環させる小型扇風機「マスキュレーター」を新発売。これは昨年発売して2カ月で30万個が売れて大きな話題になった「マスクエアーファン」がさらにパワーアップさせたものだという。
このような機能性や快適さだけではなく、「おしゃれ」の部分も進化している。
マスクメーカー各社は、肌やメイクがきれいに映えるさまざまなカラーのマスクを次々と発売、また、マスクを彩るクリップやシールも益々充実している。例えば、WF Dimensionは4月7日に、マスク用のクリップ「マスクネイル」を発売する。108種類のデザインがあって、ネイルのようにマスクを楽しめるようにするのだという。
ここまでくると当然、「健康志向」に応えるwithマスク商品も登場する。それは3月16日に全国発売された、UHA味覚糖の「DOMACグミ」である。「噛むチカラで、マスクに新たな価値を」とパッケージにあるように、このグミはマスクの下で噛(か)むときに心地良い弾力を目指したという。
コロナ禍のような「逆境」でも新たなビジネスを生み出す各社の「商魂」に頭が下がる思いだが、一方で「withマスク」関連ビジネスがここまで活況しているのを見ていると、一抹の不安が頭をよぎってしまう。
それは「コロナが収束しても日本人はマスクをやめることができないのではないか」ということだ。
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