上方修正からさらに上振れのマネフォ決算 SaaS ARRは40%増の129億円に(3/4 ページ)

» 2022年04月14日 09時40分 公開
[斎藤健二ITmedia]

130人採用も、人件費は下振れ

 売り上げが増加した一方で、コストは計画を下回った。SaaS企業である同社にとって、コストの多くは広告宣伝費と人件費が占める。広告宣伝費は過去最大規模となり、効果も上げたが、一方で人件費については下振れした。

 従業員数は1259人から、第1四半期は130人を採用し1389人となったが、「第1四半期でさらに採用が進む想定だった。人件費が想定ほど増えなかった」と、金坂直哉CFOは説明する。4月に入社した新卒40人を含め、第2四半期では採用を加速し、上期計では300〜400人増を見込む。

個人向けサービスでの提携加速

 会社全体の成長をけん引するのはバックオフィスSaaS事業だが、祖業でもある個人向けサービス事業でも、新たな動きが形になりつつある。家計簿サービスをメインとするマネーフォワードMEでは、これまで個人向け課金と広告ビジネスが中心だったが、新たに他社と連携して、家計簿データを生かした保険などの金融サービス提供が進んでいる。

個人向けサービスマネーフォワードMEでは、電気、保険に加え、資産運用やFP相談など、出資や買収も含めた他社提携が増加している

 3月28日には、ロボアドバイザーサービスを営むSUSTENに追加出資し持分法適用会社とし、4月13日にはFP相談事業を営むNext Solutionの買収を発表した。NextSolutionは、国内7拠点でファイナンシャルコンサルティングを営む。マネーフォワードMEを活用したライフプランニングを特色としている。

 マネーフォワードは以前、mirai talkというFP(フィナンシャルプランナー)との対面相談サービスを行っていたが、相談できるFPの育成に課題を抱え撤退していた。Next Solutionは51人の従業員を抱え、マネーフォワードMEを活用するノウハウも持つ。マネーフォワードMEからNextSolutionに送客することで、シナジーを得る考えだ。

 さらに「FPのノウハウを、どうすればオンラインに持ってこれるかもチャレンジしたい。FPには人数の限界があるが、オンラインでやれれば多くの人のお金の課題解決につながる」と辻氏は展望を話した。

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