日産自動車とイトーキが、後部座席でテレワークができるモバイルオフィスカー「MOOW(ムーウ)」を共同開発した。コロナ禍によりオフィスでの就業や通勤移動を敬遠する人もいる中、プライベート空間を確保できるクルマの活用は注目を集めている。両社はさらなる開発を進め、22年度内の発売を目指す。
「MOOW」は日産「NV200バネット」をベースとし、日産の特殊用途車両を製造してきた経験と、イトーキのオフィス設計の経験を生かし、車内をデザインした。
後部座席部分は丸ごとテレワークスペースとし、車内では十分な作業スペースを確保できないという課題を解消。取引先への訪問が多い営業職や、より集中できる就業環境を確保したい会社員や個人事業主など、多くのビジネスパーソンが活用できるように工夫した。
室内の快適性を保つため、日産が開発した高性能のリチウムイオンバッテリーを搭載。走行時の充電に加え、エンジンを停止した状態でもテレワークに必要な電力の供給を可能とする。冷暖房機器も5時間程度稼働できるとしている。
車内後部は人間工学に対応した後傾姿勢で座るデザインとし、オンラインミーティングに適した間接照明を搭載した。デスク天板は着席しやすい可動式で、ノートPCの使用に配慮したサイズを採用した。また、スマートフォンを差し込むとハンズフリーでビデオ通話ができるスリットを設けた。
タイヤが収まる部分を活用したサイドテーブルには、後傾姿勢で足を乗せることができる格納式のオットマンも収納した。
同商品は、4月26〜28日に開催されるドイツ発オフィス家具メッセ「オルガテック東京2022」ワークプレイス トレードショーに出展する。両社は、「社会情勢の変化に伴い就業環境も大きく変容している。モバイルオフィスカー『MOOW』を活用した生産性の高い働き方を提案・提供することで、よりよい社会の実現に貢献していきたい」としている。
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