iモード生みの親・夏野剛が斬る「オールドスペースからは日本の宇宙産業は何も生まれない」ホリエモン×夏野剛(1)(1/3 ページ)

» 2022年04月25日 18時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]
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 総合エンターテインメント企業KADOKAWAは、ホリエモンこと堀江貴文氏が取締役を務める宇宙開発ベンチャー、インターステラテクノロジズ(以下IST、本社・北海道大樹町)に出資することを4月11日に発表した。

 そのKADOKAWAを率いるのは、NTTドコモが運営していたサービス「iモード」の生みの親とされる夏野剛社長だ。夏野氏は、内閣府の宇宙政策委員会の小委員会の委員を務めた“宇宙通”としても知られる。

 なぜ、出版をはじめとした総合エンターテインメント企業が宇宙開発に出資したのか。4月には都内のIST東京支社で、堀江氏と夏野氏が対談。日本の宇宙開発ISTをはじめとする日本の宇宙開発ベンチャーに賭ける思いを明かした。

夏野剛(なつの・たけし)KADOKAWA社長。1965年神奈川県出身。88年早稲田大学卒業、東京ガス入社。95年ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートンスクール)卒。ベンチャー企業副社長を経て、97年NTTドコモへ入社。99年に「iモード」、その後「オサイフケータイ」など多くのサービスを立ち上げた。2005年執行役員、08年にNTTドコモ退社。セガサミーFD、トランス・コスモス、グリー、USENNEXTHOLDINGS、日本オラクルなどの社外取締役としても活躍。19年からは、KADOKAWA 傘下のドワンゴ社長に就任、業績をV字回復させた。21年よりKADOKAWA社長
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consultingファウンダーおよびロケット開発事業を手掛けるインターステラテクノロジズのファウンダー。現在は宇宙関連事業、作家活動のほか、人気アプリのプロデュースなどの活動を幅広く展開。2019年5月にはインターステラテクノロジズ社のロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機(MOMO3号機)」が民間では日本初となる宇宙空間到達に成功した。著書に『ゼロからはじめる力 空想を現実化する僕らの方法』(SBクリエイティブ)、『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)など

動画撮影とロケットの技術

夏野: ウクライナの戦争によって、宇宙開発が軍事直結になってきましたね。

堀江: そうですね、その話をしましょう。

夏野: (撮影に使用されているミラーレス一眼レフカメラを見て)ところで、最近はミラーレス一眼レフでビデオを撮っているけど、イメージセンサーがこっちのほうが動画撮影用のカメラよりも大きいからきれいなんですよね。時代が完全に変わった。

堀江: プロの人たちはもう前からこれでしたね。実は、この動画撮影に使われている技術と、ロケットの技術って非常に似ているんですよ。

夏野: そうなんですか!?

堀江: ドローンで有名なメーカーのDJIが発売しているRoninっていうカメラ用のジンバルがあるじゃないですか。Roninは優れた姿勢制御装置を搭載しているんですが、実は、この技術がロケットと同じものなんです。モーターによって姿勢制御する技術で、「ジンバル制御」といわれています。空気がないところでも制御できるのが特徴です。

 この「ジンバル制御」に使われている姿勢センサーは、カメラだけでなくスマホにも使われています。当社がロケットを安価に作れるようになりつつあるのも、実はこれに由来しているんですね。

夏野: やっぱり民生用の技術で宇宙に行けるようになりつつありますよね。この20年で果たした大きな進化です。

堀江: その民生用の技術というのは、もともとは夏野さんがやっていたガラケーに通じるものですね。世界で初めてその民生用に、大量にそのセンサーを供給したのはガラケーなんですよ。

夏野: 携帯にカメラを内蔵したことによって、カメラのセンサーに使われているCMOSやCCDが必要になったわけだけど、カメラの量とガラケーとでは全然違ったわけですね。

堀江: ロケットに関係するところでいうと、ガラケーで最初に量産されたMEMSっていう超小型のセンサー類ですね。もともとは機械加工などで作っていたんですが、半導体のプリンティング技術で作れるようになった。要はガラケーに入れるために、小型で大量生産できる技術が確立されたわけですね。MEMSはその後、任天堂のゲーム機「Wii」のリモコンや、いろんなものに入っていきました。そしてついにスマホに入ったことで、何十億台という需要が生まれ、どんどん高性能化し、かつ安くなっていって今に至るわけです。

ねじのロケット(MOMO7号機)打ち上げ時の写真(インターステラテクノロジズ提供)
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