また今後の出店戦略としては、海外でも57店舗増と積極的な海外展開を進めていこうとしています。22年2月時点では日本1190店舗で海外が974店舗ですから、数年以内には海外が日本を上回ることになりそうです。
海外展開を積極化。数年で国内を逆転
サイゼリヤもそうでしたが、日本市場は縮小市場ですから、国内の大手チェーンは海外での成長戦略を考えているところが多いことが分かります。ちなみに海外事業の売上規模は日本と比べて小規模ですが、それは国内は直営店中心なのに対して海外はFC(フランチャイズ)中心の展開であることが影響しています。
海外店舗の増加に積極的とはいえ、吉野家HDは国内でも20店舗増と積極的な出店を続けるとしています。
郊外店舗で若年層と女性顧客の獲得に成功
日本の既存の牛丼市場はある程度飽和していると考えられますから、今後の成長のためには新しい市場を取る必要があります。そんな中で吉野家HDが力を入れているのが、郊外・若年層・女性顧客です。
都心部以外での市場開拓に力を入れているということですね。実際に郊外店向けの改装を行った店舗では、女性顧客が改装前比で126%増となるなど効果が出ているようです。最近は女性の1人客でも牛丼店やラーメン店などに入りやすい空気感ができてきていますのでそういった後押しもありそうです。
女性客、若年層獲得に重要なマーケティング
また、冷凍食品の牛丼の具や吉野家の店舗以外での販売など、店舗外の販売チャネルも拡充していくとしています。それ自体ももちろんビジネスとして重要ですが、郊外や女性客を増やしたいという意図を考えたときに、こうした販売チャネルは重要だと考えられます。
というのも郊外型店舗は、駅の近くの好立地の店舗などと違い「あそこに吉野家あるから寄っていくか」という来店が減りますので、郊外店で来店してもらうにはまず、吉野家で食事するということを思いついて食事を目的として来店してもらう必要があるのです。
そのためにはやはり顧客との接触を増やしておくというのが重要です。冷凍食品でたまに食べたり、スーパーで見かけたりしていれば、食事の際に思いつきやすくなりますよね。なのでこういった吉野家の店舗外の接触増加策は、店舗での食事を増やすという意味でも重要なのです。
そのため、この店舗外のチャネルがしっかり伸びていくかも注目です。
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