#SHIFT

「こんなはずじゃなかった……」 新入社員を悩ます“ガチャ”の正体早期離職の引き金に(1/5 ページ)

» 2022年05月30日 07時00分 公開
[溝上憲文ITmedia]

 新入社員が4月に入社してから2カ月弱が経過した。

 例年なら新しい環境に適応できずに心身に不調が現れる「五月病」の時期だが、近年は「配属ガチャ」「上司ガチャ」に頭を悩ます新人も増えているという。

「配属ガチャ」「上司ガチャ」という言葉が使われる機会が増えた(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

「配属ガチャ」へのこだわりを持つ学生が増加

 配属ガチャとは、入社時の配属先がどうなるのか分からないことをソーシャルゲームの「ガチャ」になぞえたもの。希望の部署は配属された場合は「アタリ」、そうでない場合は「ハズレ」。

 運良く希望部署に配属されても、ちゃんと指導してくれない、あるいは先輩や上司の高圧的な態度についていけない「上司ガチャ」に悩む新人もいる。“ハズレ”を引いてしまったら早期離職の引き金になる可能性もある。

 配属ガチャ問題はネット上でも「希望していた仕事ができるものと思っていたが、全く違う部署だったのでがっかりした」「実家から通勤できると思っていたが、入社したら地方の営業所に配属され、転職を考えている」という声も挙がっている。

 産労総合研究所が実施した「2022年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」によると、配属(職種・勤務地)に関心がある学生は企業の採用担当者の回答では「増加」が20%、「やや増加」が40%。計60%が増加していると答えている。同様に大学キャリアセンターの回答でも63%が増加していると答えている。

配属(職種・勤務地)に関心がある学生の増加率が高い。産労総合研究所「2022年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」より、一部抜粋

 その背景には何があるのか。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.