大学でキャリア教育を担当している講師は「取りあえず配属ガチャを避けたがる学生が少なくない。『一生この会社でお世話になりたい』と思うほど、企業に対する信頼度が低くなっている。『長く勤めたくても、そんな時代ではないんでしょ』という感覚が大きくなりつつあり、やりたい仕事でキャリアを積みたいという思いがある」と解説する。
実際に前出の調査によると、学生に入社予定の企業で「何年程度働くつもりでいるか」という質問では「できるだけ長く」が45%と多いが、5年以内に転職を考えている学生が25%、10年以内では36%に上る。
つまり現在でも、学生では「できるだけ長く働きたい」と思う人が多い。しかし、「そんな時代ではない」という不安から、配属で失敗せずに自分に合った職種、やりたい職種を新卒時から経験したいという意識が高まっている。
また、ラーニングエージェンシーが22年4月に発表した「働くことに関する新入社員意識調査レポート」によると、「将来会社で担いたい役割」を尋ねた質問で「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」と答えた人が31.6%と最も高く、一方「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい」は23.5%と14年の調査開始以来、過去最低の低さになっている。
特にコロナ禍で経営環境が劇的に変化する中で自分の将来に対する不安も大きくなっているだけに、専門性を少しでも早く身につけたいと思う新入社員も多いのだろう。
そうした学生にとっては「希望する仕事に配属してほしい」「どこに配属されるのか知りたい」と思うのは自然かもしれない。
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