佐野ラーメンの味を東京に! 東京ラーメンストリートに初出店した「麺屋ようすけ」社長東京ラーメンストリートの舞台裏(4/5 ページ)

» 2022年06月04日 05時00分 公開
[武田信晃ITmedia]

従業員にやりがいを感じてもらうために

――今は飲食店の採用には、人がなかなか集まらない状況ですね。

 大変です。毎週のように募集をかけている状況です。給料や時給、待遇も高めにしていますが、なかなか採用は難しい状況です。

 従業員には、何よりやりがいを感じてもらうようにしています。これから佐野ラーメンを全国区にすることを目標に複数の店舗を展開していきたいので、従業員にもそこをモチベーションにしてもらい、一緒にがんばっていきたいと考えています。

――多店舗展開を視野に入れているのですね。

 まずは5店舗オープンを目指しています。佐野ラーメンは1店舗のみという企業が多いのですが、私は少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えています。

 私の実家は内装業を営んでおりまして、私も経営を専攻しました。店舗の拡大にあたりいろいろと勉強しないといけないですね。

 多店舗化を見据え、スープは各店で作りますが、ギョーザなどは工場をつくってそこから各店舗に配送するスタイルを考えています。

(筆者撮影)

――トップである田邉代表が厨房にいる時は、味の質についての心配はないと思います。一方、田邉代表がお休みの時にも、味を一定に保つ必要がありますね。どのように指導していますか?

 麺のゆで方ひとつとってもOKが出せるまで教えるなど、研修はずっとしています。本店では従業員にほとんどを任せられるようになりました。職人の「感覚」のみではなく、材料の重さ、塩加減なども全て数値化して味にブレが出ないようにしています。それは麺づくりも同じで、室温、湿度、粉の水分保有率、水温なども考えながら数値化して麺づくりをします。

――職人としての田邉代表としては、自分でやったほうが早いし、やりたくなるでしょう。でもそれではスタッフを育てられない。業務と気持ちのバランスの折り合いは、どう付けているのですか?

 東京の店ですと、店長から「厨房には入らないで」といわれているので、気持ちを抑えていますね(笑)。心配ではありますから店の様子を見る感じになります。

――最後に田邉代表にとってのラーメンとは何ですか?

 そうですねえ……。佐野ラーメンは麺、スープ、チャーシュー、ナルト、メンマがあって……といったように、あまり見た目の違いはないかもしれません。その何でもないように見えるTHE・ラーメンをおいしく食べてもらうのはとても難しいのです。そういう奥深さがあると思っています。

チャーシュー麺

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.