新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を振るう中、思うように遠方に移動できない日々が続いている。ワクチン接種済みであっても全体的な制度設計は進んでおらず、長距離の移動が難しい状況だ。経済活動の本格的な再開にはまだ程遠い。
特に飲食・観光業への影響は大きい。かつてビジネスパーソンだけでなく、多くの観光客でにぎわっていた東京駅八重洲口にある「東京ラーメンストリート」もその一つだ。東京ラーメンストリートは2009年に東京駅の観光スポットの目玉として、東京を中心とした有名ラーメン店を一堂に集めたもの。以前は「2時間待ち」の店も多かったが、コロナ禍の現在では、さほど並ばずに入れる状況が続いている。
この厳しい状況は統計にも現れている。帝国データバンクの調査によると、20年のラーメン店の倒産件数は46件。19年の36件を上回り過去最多を更新した。倒産が年間40件を超えたのは調査開始以降初めてのことだ。
そんな中、東京ラーメンストリートを管理するJR東海グループの東京ステーション開発は発想を転換し、地方に行けない首都圏在住者に向けたプロジェクトを展開した。全国のラーメンの名店を期間限定で東京ラーメンストリートに出店する「ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート」という企画だ。
約3カ月ごとに1店舗ずつ店が入れ替わり、第7弾まで予定されている。第1弾は横浜市の戸塚に本店を構える有名店「支那そばや」。TBSの番組「ガチンコ!」をはじめ数多くのメディアに出演し、「ラーメンの鬼」という異名を持つ佐野実さんが創業したしょうゆラーメンの名店だ。「支那そばや」は11月4日まで出店する。
いったいどのような狙いでこのような事業を展開したのか、東京ステーション開発営業開発部の笠井俊亮さんに戦略を聞いた。
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