新オフィスのコンセプトは「ときのもり」。「ときをかんがえる」「ときをつくる」「ときをはなす」の3つを軸にした。それぞれ、「五感で感じる体験を通して得られる新たなひらめきや気付きを得られる場」「社内外を問わず考えを共有する場」、そして「一人一人にあった環境を自ら選択できるような環境」を目指した。
前場氏は「会議室と執務席を往復するだけの働き方から、オフィス内を自由に移動し、働く場を自らの目的に沿って選ぶことで、業務効率の向上を図りました。また、社員間のコミュニケーションの機会を創出し、新たな事業アイデアやイノベーションを生んでもらう環境をつくりました。オフィスでは、個人の自立と自律を促すため、集中ブースでは携帯電話をかけないといった必要最低限のルールだけを設け、社員の自主性を重んじています」と話す。
新オフィスでは「フォーカス」「セミフォーカス」「ソロワーク」「コワーキング」「ソーシャライズ」と5つのワークモードを設定。「フォーカス」は、集中ブースや電話ブースを用意。「セミフォーカス」には一般席があり、「ソロワーク」を境にオープンな施設が増えていく構成だ。
「コワーキング」では、ファミレスブースやハイカウンターを設置し、「ソーシャライズ」は会議室、セミナールーム、カフェなど社内外の共創を意識した場とした。木が幹から広がるように階が上がるにつれ解放感が増すように設計したほか、階層ごとに色を変えるなど、工夫を凝らした。
感染症対策として、密を防ぐために「WP Search」というICT機器を導入。従業員それぞれがビーコンタグを所有しており、オフィス内の混雑率はデジタルサイネージやスマホアプリで、一目で分かる仕様とした。また、WP Searchで得られた人流データは、オフィスのアップデートに使用していく予定だ。
「例えば、オフィスの使用していないスペースをどうするのか、イベントを開催したときの出社率はどれぐらい変わるのか、などオフィスの使い方が人の行動をどう変化させるのかを調べ役立てていきたい」と高嶋氏。オフィス家具は全て可動式なので、レイアウト変更も容易だ。
ほかにも、働くママのための授乳室「Mother's room」、お祈りができる「Prayer's room」、コンシェルジュデスク(SISデスク)、多くの書籍を所蔵したライブラリーなど、従業員の働きやすさを意識したさまざまな仕掛けと設備を用意した。(詳しい室内の様子は後編で紹介する)
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