赤字ローカル線廃止、新幹線建設、鉄道事業者経営危機、モーダルシフトなど、鉄道のみならず交通分野は問題山積だ。そんな時期に参議院選挙が始まった。交通分野の公約を掲げた候補を探したら、数えるほどしかいなかった。国政の議論に地方交通の話題はふさわしくないか。あるいは票にならないか。なんとも寂しい結果となった。
鉄道と政治の結びつきで引き合いに出されるJR大船渡線。この摺沢駅付近出身の候補者が当選したためルートが変更された
参議院選挙は7月10日に投開票が行われる。6月22日に公示され、125議席に対して545人が立候補した。脱炭素、周辺国や紛争への対応、物価上昇、新型コロナ対策など問題は山積している。そんななかで私は「交通問題」に注目する。545人の立候補者のうち、何人が交通問題を公約に明記しているか。
2日かけて「候補者名+公式」で545人の公式サイトをチェックした。驚いたことに、6月30日現在、候補者のうち200人以上が自身の公式サイトを開設していなかった。公式サイトはメディアを通さず、つまり共通アンケートではなく、自らの言葉で政策や公約を表明する機会ではないか。費用だってチラシを刷るより安い。これは交通問題以前に気になった。
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
新幹線だけじゃない! JR東海の「在来線」はどうなってるのか
JR東海といえば「東海道新幹線を運行する会社」「リニア中央新幹線を建設する会社」というイメージが強い。報道も新幹線絡みが多い。しかしほかのJR旅客会社と同様に在来線も運行している。そして「新幹線ばかり優遇して、在来線の取り組みは弱い」という声もある。本当だろうか。
2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか
2025年に大阪、夢洲で「2025年大阪・関西万博」が開催される。政府は主要公共交通機関に大阪メトロ中央線を位置付けた。このほか会場へのアクセスには船とバス、さらに具体化していない鉄道ルートが3つ、近畿日本鉄道の構想もある。また会場内の交通には、3種類のモビリティが計画されている。
佐賀県の負担金は? ゲーム理論で導き出した「九州新幹線西九州ルート」
「九州新幹線西九州ルート」の新鳥栖〜武雄温泉間の着工の見通しが立たない。理由の1つが「佐賀県の負担金問題」だ。佐賀県は在来線で不満はなく、フル規格の費用負担は見合わない。経済学のゲーム理論によれば、3者が最も合意しやすい負担額は「佐賀県と国の負担減、長崎県の追加負担あり」と試算された。
不人気部屋が人気部屋に! なぜ「トレインビュー」は広がったのか
鉄道ファンにとって最高の「借景」が楽しめるトレインビュールーム。名が付く前は、線路からの騒音などで不人気とされ、積極的に案内されない部屋だった。しかし鉄道ファンには滞在型リゾートとなり得る。トレインシミュレーターや鉄道ジオラマなど、ファンにうれしい設備をセットにした宿泊プランも出てきた。
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