コロナ禍によって多くの業界がダメージを受ける中、特に反発の矢面に立たされたのが、フィットネスクラブ業界だ。フィットネスクラブは国内で新型コロナウイルスが流行(はや)り始めたころ、全国各地でクラスターが発生。その様子がメディアで報じられてしまった。そのあと2020年4月に緊急事態宣言が発令され、長期の休業を余儀なくされてしまった施設も少なくない。
その後、新型コロナウイルスの病気としての実態が解明され、十分な換気などを実施すれば、これまで通りの運営をしても問題ないことが分かってきた。さらにワクチン接種が広まったことによって、コロナ前と同じような活動がフィットネスクラブでもできるようになってきている。
ところが、フィットネスクラブの利用者数や売り上げが元通りになったかというと、今一歩及ばない状況が続いているようだ。経済産業省の調査によると、利用者数は2020年2月(コロナ禍以前)まで、約1800万人程度いた。だがコロナ禍以降は、1500万人に届かない状況が続いている。売上高も20年2月までは270億円以上あったものの、22年4月時点では220億円弱にとどまっている。
こうした中、フィットネスクラブ事業に参入したのが総合エンターテインメント企業のブシロードグループだ。同グループはゲームやアニメ、音楽ライブエンタテインメントを中心に、「新日本プロレス」と「スターダム」という2つのプロレス団体を運営している。
ブシロードは4月にスポーツ&ヘルスケア本部を設立。20年2月に100%子会社化していたフィットネスクラブ企業「ソプラティコ」(北海道小樽市)を「ブシロードウェルビー」に社名変更。本社をブシロード本社のある東京都中野区に移転する形で自社グループ化した。
なぜコロナ禍のタイミングで新規参入したのか。ソプラティコ時代から代表取締役を務めるブシロードウェルビーの大場隆志社長はこう話す。
「コロナ禍の影響もあり、フィットネス事業単体では今後の経営は難しいと判断したのが一つの要因です。スポーツ&ヘルスケア本部としてブシロードグループに加わったことによって、既存の人気エンタメとフィットネスクラブをコラボさせたり、グループ全体で新規事業として進めている医療や介護事業とも連動したりできるのではないかと思い、協業に至りました」
コロナ禍で旧ソプラティコも他のフィットネスクラブ同様に、多大なる影響を受けた。大場社長によると、「30〜40%の方が会員でなくなってしまった」という。
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