販売に際し、社内からは「この時期に、しかも需要が減っている口紅を発売する意味があるのか」「市場に出しても売れると思えない」といった反対意見が相次いだという。「反対はもっともだと思いましたが、こういった危機こそ機会ととらえ挑戦するのがKATEというブランドです」と若井さんは振り返る。
21年4月20日からは、販売開始に先立ち、店頭配荷(実際に店頭に並べること)とYouTubeでの情報を先出しし、評判づくりを行った。「コロナ禍でタッチアップといった実際に手に取って試す、という販促ができませんでした。そのためSNS上での体験の場を作る必要がありました」(若井さん)
4月24〜27日には、美容系のインフルエンサーやメディアによる情報露出を実施。この時点でリップモンスターに関するツイートに対して、8093リツイート、6.6万いいねを獲得。SNS上での認知度向上と体験を拡大していった。
発売日の5月1日からはTikTok施策を実施した。インフルエンサーがマスクを外すと音楽に合わせてリップの色が変化し、画面上にはブランドと商品のロゴ、使用したリップの色名と色番を表示する。この約15秒の動画広告は、リップモンスターがターゲットとしていた若年層を中心に人気を博し、ブランドの知名度向上に貢献した。
「このTikTok施策でポイントとなったのが、色名です。定番14色の商品名は、使った時の気持ちや体験に着目し名付けたのですが、『ラスボス』や『2:00AM』など、#をつけてつぶやきたくなるような言葉を選びました」(若井さん)
リップモンスターの人気は、若年層からその親世代までに広がり、幅広い顧客を獲得。21年のベストコスメ賞を46部門で受賞した他、口紅で初のシェアナンバー1を獲得し、全メーク市場でナンバー1ブランドとなった。
「セカンド冷凍庫」が一躍人気になっている“なるほど”な理由 シャープに聞いた
もはやオシャレ家電? 人気の「セカンド冷凍庫」しのぎ削るメーカー、焦点は2つ
関西版「住みここちランキング2022」 3位「箕面市」、2位「奈良県王寺町」、1位は?
日本長者番付2022 孫正義氏は3位転落 お金持ち1位は?
夏の電気代対策 3位「扇風機の併用」、2位「エアコン稼働数を減らす」、1位は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング