楽天G、レアル・マドリード所属の中井卓大選手とマネジメント契約 スポーツ事業を強化

» 2022年07月13日 21時12分 公開
[ITmedia]

 楽天グループ(楽天G)は7月13日、サッカー・スペイン1部リーグの強豪レアル・マドリードの下部組織に所属する中井卓大選手とマネジメント契約を締結したと発表した。自社のアスリート支援事業「Rakuten Sports」の事業拡大とともに、国内外でのスポンサーシップ獲得など中井選手のキャリアを支援する。

photo 楽天グループのオフィス(出典:同社公式Webサイト)

 中井選手は2003年生まれの滋賀県出身の18歳。9歳だった13年に同クラブの入団テストに合格し、下部組織「カンテラ」に入団。同クラブへの日本人選手の入団は史上初の快挙だった。入団直後は慣れない環境から「ピーピー」と泣き、泣き虫だったため「ピピ」という愛称が付けられ、本人も気に入っていたことから一時登録名が「PIPI」だったこともある。

photo マネジメント契約した中井卓大選手

 中井選手は、同じく幼少期からスペインでプレーしていた日本代表の久保建英選手と比較されることが多い。久保選手はバルセロナの下部組織でエース級の活躍を見せていたが、18歳以下の国際移籍を禁じたFIFA(国際サッカー連盟)のルールに抵触し、日本への帰国を余儀なくされた(帰国後FC東京に入団)。それに対し、中井選手は帰国を免れ、スペインでのプレーを継続できた。

 各カテゴリーで、チームの中心選手として活躍したことなどが評価され、中井選手は16歳でプロ契約。21年には「世界で最も有望な若手選手50人」にも選出された。現在は19歳以下のチームに相当する「フベニールA」に所属しており、2月に契約を25年まで延長。来季からは同クラブのBチームに当たる「カスティージャ」(スペイン3部相当)でのプレーが内定している。世界中のスター選手が集まる、トップチーム昇格まで、あと一歩というところまで来ており、日本サッカー界の将来を担う選手の1人として期待されている。

photo レアルマドリードの公式Webサイトに掲載された中井選手

 楽天Gは「ピピとのパートナーシップは、若いアスリートをエンパワーメントする上で重要。今後も、若いアスリートがスポーツへの野心を持つことを奨励するとともに、世界中のファンの皆さまに、次世代のスーパースターの才能をしっかりとサポートしていくことを約束する」としている。

 同社は他にも、経営権を持つJリーグ1部(J1)「ヴィッセル神戸」所属の元スペイン代表アンドレス・イニエスタ選手のブランディング活動を支援している。

歴代最多14度の欧州制覇を誇る強豪クラブ

 中井選手が所属するレアル・マドリードは、国内リーグで最多35回、欧州最強クラブを決める「UEFAチャンピオンズリーグ」(CL)も歴代最多14回(前身のチャンピオンズカップ時代も含む)の優勝回数を誇る、スペインを代表する名門クラブ。5月末の欧州CL決勝でもリバプール(イングランド)を1-0で下し、優勝を果たした。ライバルクラブで、かつて久保選手やイニエスタ選手が所属したバルセロナとの「エル・クラシコ」は世界で最も熱いダービーマッチの1つとして知られている。

photo レアルマドリードのホームスタジアム「サンティアゴベルナベウ」(提供:ゲッティイメージズ)

 英デロイトが欧州主要クラブの経営状況をまとめた「フットボールマネーリーグ」(FML)の2022年版によると、2020-21シーズンの同クラブの売り上げは6億4070万ユーロ(約888億1342万円)。欧州全体で見ると、マンチェスターシティ(イングランド)に次ぐ、2位だった。

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