この課題に関しては「業務に関するコミュニケーションについて」および「業務外コミュニケーションについて」への回答が参考になる。「上長への報告・連絡・相談がしやすい」とした回答が、リモートワーク、オフィスワークともに80%超に上ったのに対し、業務外コミュニケーションでは、リモートワークとオフィスワークで大きく差が出たのだ。
「業務外のコミュニケーション、雑談がしやすい」との回答がオフィスワークでは90%近くあったが、リモートワークでは40%弱にとどまった。また「ランチや懇親会などの交流が活発に行われている」とした回答は、オフィスワークが約6割、リモートワークが約2割という結果になっている。
マーブルワークスタイルにおけるコミュニケーションについての自由回答を見ると「対面のミーティングを定期的に実施しているので問題ない」とする意見がある一方で、「コミュニケーションが出社している人に限られてしまうため、リモートワークをしていると疎外感を覚える」「自分が出社しても上司や同僚が出社していないと対面のコミュニケーションが成立しない」「導入後に入社した社員にとってはコミュニケーションが取りづらい環境かもしれない」といった声も上がっている。
コミュニケーションが取りづらいという課題が残るなかでリモートワークを選択する理由は「通勤時間を節約するため」が81.8%で最多(複数回答)。「(出社のための)身支度にかかる手間が軽減される」が52.6%で続く。時短による生産性の向上がリモートワークのメリットと言えそうだ。ちなみに「(1人になれる)自宅のほうが業務に集中できる」(45.1%)、「育児や介護があるため」(18.4%)といった回答も見られた。
マーブルワークスタイル制度の導入で、コアタイムの開始時間である正午までに出社できるなら日本国内のどこに住んでも構わないことになり「遠方居住」が可能になったが、制度開始にともなって実際に遠方居住を実現した従業員は2.9%。とはいえ遠方居住を検討している従業員も24.4%いる。
このアンケート結果を受けて、ミクシィでは実家やホテル、コワーキングスペースなど、従業員が選択した自宅以外の場所でも最長1カ月の就業を認める「マーブルロケーション」の試験運用を7月4日に開始した。マーブルワークスタイルでは就業場所を自宅またはオフィスとしているが、この制度を利用すればさらに働き方に柔軟性を持たせることができる。運用期間は10月31日までで、その後は従業員アンケートなどから検証を進め、制度化を検討していく予定だ。
マーブルワークスタイルが従業員の働き方にポジティブな影響を与えているのは、アンケート結果から明らかだ。課題は従業員同士のコミュニケーションだが、ミクシィでは改めてオフィスの良さを体感してもらうべく、家族や友人をオフィスに招待できる社内イベントなども開催していく予定とのこと。コミュニケーションに関する施策の導入や制度の改善により、従業員の多様な働き方や価値観を尊重しつつ、生産性の最大化を目指していく。
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