バスでサウナ体験!? JR東海が打ち出す新しい「冷やし旅」“3年ぶりの”夏(1/4 ページ)

» 2022年08月04日 11時35分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 新型コロナウイルスの感染が再び広がっている。7月28日には全国の感染者数が過去最多の23万3000人を超えた。都市部だけでなく、地方でも急速な感染拡大が進んでいる。

 一方で弱毒化が進んでいるのも特徴だ。過去最大の感染者数にもかかわらず、8月2日時点で行動制限には結びついていない。コロナ禍を迎え、3年ぶりの行動制限のない夏となり、全国各地では花火大会や夏祭りが開催されるところが大半だ。京都では祇園祭が3年ぶりに開催。7月17日の山鉾巡行では14万人の入込客数があった。

 8月に入っても開催予定の動きは変わらず、夏の風物詩でもある東北三大祭りの「仙台七夕まつり」「青森ねぶた祭」「秋田竿燈まつり」いずれも3年ぶりに開催される予定だ。8月13〜14日は、東京都江東区の東京ビッグサイトで世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット」も100回目の開催を予定していて、2日間で約20万人の来場者を見込む。お盆に3年ぶりの帰省をする人も少なくないだろう。

photo JR東海が打ち出している一大キャンペーン「ずらし旅」

 こうした人の流れを受けて、旅行会社も積極的な観光施策を打ち出している。JR東海では1993年から続く社を代表する観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」をコロナ禍によって中断していた。だが今夏、3年ぶりに復活させた。感染症の拡大局面でも人の流れや経済を両立させる、本格的なウィズコロナ時代に突入した格好だ。

 「そうだ 京都、行こう。」と並び、JR東海が打ち出している一大キャンペーンがある。「ずらし旅」だ。「ずらし旅」はコロナ禍の局面に入り新しく打ち出されたキャンペーンだ。著名で人が集まりそうな観光地を「ずらし」、さらに旅行のタイミングなども人が集中する大型連休などを「ずらす」ことによって、密を避けるかたちで観光ができるのをウリにしている。

photo あいち冷やし旅のポスター(JR東海提供)
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 この「ずらし旅」の一環として、愛知県とJR東海が協働して夏に展開されているのが「あいち冷やし旅」だ。「暑さをずらして冷えたコンテンツを打ち出す」ことを切り口としているのが特徴で、21年夏に展開をはじめたところ、コロナ前からの旅行商品回復率が他地区平均を10%も上回った。

 通常JR東海エリアの観光といえば、京都・奈良を中心とした神社仏閣めぐりをイメージする人も少なくないと思われる。だが、この「あいち冷やし旅」では、近年人気となっているサウナを取り入れた。

 サウナー界隈で知られる室温マイナス25度、水温3度のアイスサウナをもつ名古屋市のサウナ施設「ウェルビー栄」をポスターのビジュアルにも起用している。また、日間賀島のタコを食べるという知る人ぞ知る通な「食」を取り入れ、「ずらす」要素も含んでいるのも特徴だ。この「あいち冷やし旅」は、22年も昨年の盛況を受けて展開している。

photo 路線バスを改造した移動式の「サウナバス」
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