今年の冷やし旅は、前年と何が変わったのか。JR東海が目玉としているのが、「サバス」だ。「サバス」とは路線バスを改造した移動式の「サウナバス」の略。今回は、この「サバス」を愛知県新城市の「湯谷園地」で展開している。
「サバス」は路線バスの後方部がサウナルームになっていて、利用者は水着などに着替えてサウナを楽しむものだ。熱したサウナストーンに水をかけて湿度を高める「ロウリュ」も、利用者自身でできるようにした。
ただ、サウナ経験者であればピンとくるものとして、サウナと同時に必ず欠かせないものがある。水風呂だ。「サバス」車内にはさすがに水風呂は内蔵されておらず、また各公園施設の駐車場で展開されているため、この水風呂の問題がどうしてもつきまとう。
そこでJR東海が提案するサウナの楽しみ方がある。この水風呂を公園のすぐ近くに流れる川を水風呂として活用しようというものだ。「サバス」会場となる「湯谷園地」には清流として知られる宇連川があり、サウナのあとは川に入ることで「ととのう」ことができるようにした。湯谷園地は山間部にあるため、川の水は冷たく、まさに「冷やし旅」なわけだ。
更衣室や休憩用の椅子ももちろん完備されている。宇連川のすぐそばにはJR飯田線が走っていて、定期的に訪れる列車を見ることで、サウナの時計代わりにもなることだろう。
一体なぜ、鉄道会社がサウナ「バス」に着目したのか。「冷やし旅」を企画したJR東海観光開発事務局の尾原崇文さんはこう説明する。
「仕事でサウナのことについていろいろと調べていたら、全国各地をバスで移動して現地でサウナ施設になる『サバス』を発見したんです。私が見た時はサウナのない温浴施設の駐車場などで展開しており、なんてもったいないんだ! と思いましたね」
「体験を通じ大自然を味わえるのもサウナの醍醐味」を確信した尾原さんは、すぐさま「サバス」を運営する株式会社リバース(大阪府高槻市)にかけあい、川遊びと組み合わせた観光プランを考案。2022年の冷やし旅に早速取り入れられることになったという。
「サウナ好きな方だけでなく、都会で疲れた人に少しでも癒やされてもらいたいですね」
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