健康経営に対する企業の取り組みや実績を客観的に示す目的で、経済産業省が認定制度を設けています。
より発展的な内容のヒアリングを目的とし、21年度から企業が提出する健康経営調査票が変更されました(経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課「健康・医療新産業協議会第4回健康投資WG」)。
健康経営施策について定量的なデータの情報開示が求められます。特にホワイト500については調査票に対するフィードバックシートを開示することが必須要件となっています。
業務パフォーマンス指標として「エンゲージメントの向上」「プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの低下(※)」が実際に起きているか、測定の有無や測定手法を調査票に記載することが求められます。
(※)プレゼンティーイズムは「疾病就業」とも呼ばれ、会社に出社しているものの、健康上の問題で労働に支障をきたし、業務パフォーマンスが低下している状態を指します。プレゼンティーイズムの状態にある従業員は、欠勤するほどは症状が重くないため、自身の生産性低下に気付いていないことがあります。
また、プレゼンティーイズムより深刻な「健康問題により欠勤状況が繰り返される状態」はアブセンティーイズムと呼ばれます。こちらはプレゼンティーイズムの状態にある従業員よりも欠勤状況やストレスチェックの結果などから把握しやすいのですが、パフォーマンスを発揮する機会が減るため、機会損失の影響も大きくなります。
自社だけではなく、取引先に対しても「健康経営のノウハウ提供や共同実施などを行っているか」「社会全体の健康に寄与しているか」が問われます。
前編では健康経営のメリットや、最近の動向について解説しました。8月17日公開の後編では、健康経営の具体的な取り組みの例や、推進のポイントをお伝えします。
眞柴 亮 株式会社Works Human Intelligence WHI総研
2006年、Works Human Intelligenceの前身である株式会社ワークスアプリケーションズに入社後、通勤手当や寮社宅等福利厚生を専門に、大手法人の制度コンサルおよびシステム導入を担当。
2019年、2020年と子会社の人事給与BPOベンダーである株式会社ワークスビジネスサービスに出向。受託業務の効率化や品質改善に携わるほか、複数顧客に対し人事関連業務のBPRを実施。
出向復帰後は顧客教育部門であるWorks Business Collegeを経て現職。「社員定着率」「生産性向上」を2大テーマに、付随する人事テーマを含めて研究・発信活動を行っている。
大手法人向け統合人事システム「COMPANY」の開発・販売・サポートの他、HR 関連サービスの提供を行う。COMPANYは、人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント等人事にまつわる業務領域を広くカバー。約1,200法人グループへの導入実績を持つ。
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