グローバルでは、採用活動で主流となっているダイレクトリクルーティング。近年、日本でもこの手法を取り入れて採用に乗り出す企業が増加している。DXを推進する企業が増えたことでデジタル系の専門人材の獲得競争が激化する中、日本IBMでは2013年頃からダイレクトリクルーティングを実施。今では年間かなりの規模の中途採用でこの手法を実施している。
同社の先進的な採用活動の内側を、佐々木智子氏(IBM Consulting タレントアクイジション シニアマネージャー)と中垣力也氏(Sales, Software and Corporate Functions Segment タレントアクイジション マネージャー)に聞いた。
日本IBMの組織は、コンサルティングなどサービス系のビジネス部門とテクノロジー系のプロダクト部門の大きく2つのビジネス領域に分けられる。コンサルティングなどのビジネス部門では、人材の規模とスキルが売り上げに直結するだけに、採用活動は「人事」という枠を超え、経営に直結する最優先事項の一つに数えられる。
近年は、顧客企業のDX推進に対する要求の高まりもあり、コンサルティング先のDXをサポートする人材を積極的に採用している。具体的には、コンサルタント、エンジニア、プロジェクトマネージャー、デザイナー、データサイエンティストなどの人材を幅広く採っている。
「実際の採用活動においては、計画策定から母集団形成、選考、面接といった実行の領域まで、人事だけが活動の主体となるのではなく、経営側から示された中長期的な経営計画などを見ながらビジネス部門と密接に連携して行っています」(佐々木氏)
経営計画が示された際、注力すべきビジネス領域と人材ポートフォリオとの間でギャップがあれば、具体的には、既存社員のリスキリングで埋めるのか、新規採用で埋めるのかといった計画を立てるという。
具体的には、既存社員のリスキリングで埋めるのか、新規採用で埋めるのかといった計画を立てる。その際、特定のスキルや専門性を備えた人材を、どの部門で何人必要になるのかといった内容の採用計画を策定する。ビジネス環境や人材マーケットの動向は変化するので、計画は四半期ごとに見直しを実施するそうだ。
日本IBMではどのような組織体制を組んで、経営に直結するといわれる採用人事を行っているのだろうか。
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